戦時下だということを忘れてはならない
加えて今回のテロ攻撃を行ったイスラム国と、あらゆる方面からロシア内部への攻撃が起きている。プーチンは、ウクライナに対して正面から「敗戦」することはなくても、内部から崩れるかもしれない。好き嫌いではなく、あらゆる情報とシナリオを分析検討しておくことがインテリジェンスの基本だ。戦時下だということを忘れてはいけない。どこかのタイミングでロシアの崩壊が突如として始まるかもしれないことを、一つの可能性として考えておくことも必要ではないだろうか。
真の勝利は「ロシア連邦の完全な解体」
ルスラン・グバエフはこう呼びかけている。
「まず第一に理解してほしいことは、単一の『ロシア民族』などは存在しないことだ。ロシア連邦は、多民族帝国であり、そこに存在するそれぞれの民族は、独自のアイデンティティ、言語、土地を持っている。私たちは、モスクワに占領されるはるか以前からここに住んでいた。西側諸国からの関心と支援は、不釣り合いなほど、いわゆる『リベラルなロシアの野党』に偏り過ぎている。西側諸国は、ロシアの崩壊を恐れるべきではない。結局のところ、『帝国』が全体として維持されるならば、攻撃的で軍事的な政策は繰り返されるだろう。だからこそ、我々全員にとって真の勝利となる唯一最良の方法は、ロシア連邦の完全な解体なのだ」