2016年のアメリカ大統領選時に話題作となった『ヒラリーのアメリカ、民主党の秘密の歴史』というドキュメンタリー映画を製作したトランプ支持の保守派政治コメンテーター・作家・映画監督であるインド出身のディネシュ・ドゥスーザ氏(Xフォロワー数390万人)の投稿を見ると、実はよく分かる。
ナワリヌイ死去報道のあった2月16日、ドゥスーザはXにこう投稿した。
ナワリヌイを巡る怒りには、かなり面食らった。「プーチンは有力な対立候補が獄死するのを確認したかったのだ」それは、プーチンの権威主義に対する憤りを表明しているのと同じ人々の喝采を浴びながら、バイデン政権がまさにここアメリカで行おうとしていることではないか。
バイデン系の人々は、ロシアでナワリヌイに起こったことを見て、自分たちにこう言い聞かせる。「これはまさに、我々をリードしている政敵(トランプ)に対して成し遂げようとしていることだ」と。
つまり、トランプやその支持者にとっては、こう見えているのだ。反政府勢力であり、政敵であるナワリヌイが大統領選挙を目前に獄中で死去したという構図は、トランプを刑事裁判で有罪にして刑務所に入れ、選挙戦から消し去りたいバイデン政権とアメリカ左派の求めている状況と同じだ、と。
ドゥスーザは、AP通信や、NBCニュースといった大手メディアをはじめ、何十万ものフォロワーを持つ大きめの個人アカウント(少なくとも21個)に対し、次のような同様の文言を貼り付けて回っている。
ナワリヌイ=トランプ。バイデン体制と民主党の計画は、有力な政敵が刑務所で死ぬようにすることだ。この2つのケースに実質的な違いはない。