「24時間」働けますか? 自衛隊の過酷な労働環境|小笠原理恵

「24時間」働けますか? 自衛隊の過酷な労働環境|小笠原理恵

自衛隊に入隊する多くの人は、誰かの役に立ちたい、家族や国民の命を守りたいという思いをもっている。しかし自衛隊は隊員を大切にしない。入隊時には説明されていなかった無数の職務が課され、休養を取る時間すらないのが現実だ。(サムネイルは「防衛省統合幕僚監部」のXより)


▢警衛勤務の現状
●駐屯地を24時間体制で警備・入門者のチェックを実施
●仮眠は2時間を2回 20時間勤務
●警衛手当は1日当り490円
●1日あたり70円の増加食(甲額)支給
●警衛勤務を終えた次の日には帰宅可能

警衛は拠点内に24時間いなくてはならないため、営外勤務者が警衛に当たった場合、食堂での喫食費用は許可をとり自費負担で食べる。490円の警衛手当より、食費負担の947円のほうが高くつくため、営外者は働けば働くほど支出がかさむ。

▢当直勤務の現状
●部隊に3泊~4泊
●通常業務後、夜間は当直勤務に従事
●深夜に1回~2回見回り 約2時間程度
●1日あたり70円の増加食(甲額)支給
●当直勤務を終えた次の日も通常勤務
●当直手当なし
 
夜勤で長時間労働だが、残業手当も休日手当はもちろん出ない。増加食として70円の携帯食品か、カップヌードルか菓子パン1個(70円相当)が配られる。

(配られた携帯食品の一例)

警衛・当直で働いても報われないどころか、やればやるほど損をする仕組みに呆れるしかない。これではとてもモチベーションが維持できないはずだ。

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