プーチンの少数民族弾圧とウクライナ侵略
正直言って、ロシアが41にまでバラバラになるとまでは私には思えない。また、そうなることが日本の安全保障のためになるとも言えないと思う。しかし、ウクライナ・ロシア戦争の帰結次第ではプーチン体制に綻びが出るかもしれず、そのときにいくつかの地域がパラパラと崩れていくことも可能性としては無いとは言えない。そのとき日本はどうするのか。何の思考実験もせず、何のつながりももたず、ある日突然そのような状況が出た時にあわてふためくといったようなことがあってはならない。そうなってしまっては、中国に全てを持っていかれてしまうことになる。それこそが最も避けなければならないことだ。あらゆる方面に備えはしておく必要がある。
ソ連は崩壊し15に分裂した。スターリンの時代にそのような未来を予想したら、妄想と一笑されただろう。アジア・アフリカはイギリス・フランスなどの植民地から独立した。第2次世界大戦の前に予想できただろうか。同じように、ロシア連邦が永遠にいまの形であると断言できる理由などどこにもない。ロシアは100を超える民族を抱え、内戦も起き、現に独立を求める声があがっている。ロシア連邦からの独立を求める運動が妄想なのではなく、ロシア連邦という体制こそが力によって強権的に維持されたフィクションにしかすぎない、と言えなくもないだろう。「ひとつのロシア」という考えの方こそがプロパガンダだ、との言葉も多く聞かれた。ウクライナでの戦争次第では、何が起きても不思議はない。
チェチェンは二度の独立戦争でこの20年の間に30万人が殺されたという。何百年もロシア人に支配されてきた、と訴える民族の声も数多くある。ウクライナでの戦争におけるロシア軍の戦死者は少数民族出身者に割合として極端に偏っており、プーチンは少数民族弾圧とウクライナ侵略とを二重に仕掛けていると考えられてもいる。このウクライナでの戦争を、数百年を経て訪れた独立のチャンスとしなければならないと考える人々がいるという事実が現に存在しているのだ。
メンバーで国会見学