参政党の基盤はまだ決して強くはないが
さらに、参政党も統一地方選で新たに100人が当選し、所属地方議員数は124人となった。街頭などでの徹底した露出戦略や、自民党から離れた保守層などから支持を得て躍進した。しかし、参政党の基盤は現在は決して強いものではなく、どう足場固めをしていくかが重要となる。
例えば、衆参両院で最大36人を誇った「みんなの党」は、結党2年後の統一地方選において、道府県議選で41人、政令市議選で40人を誕生させている。一方、参政党は、道府県議4人、政令市議3人に過ぎない。まだ国会議員をあちこちで誕生させるまでの勢いにはなっていない。
こうした中、自民党はどのように基盤を強化することが必要なのか。それはやはり、地道な活動により地域における支持の足腰を強くすることであると考える。平成24(2012)年の衆院選以降、自民党は国政選挙においても地方選においても、ほぼ追い風の中での戦いであった。「自民党」と旗を掲げ、街頭活動をしていれば当選するという以前の第三極的な戦い方が多くなってしまった。
しかし、これは風が変われば一気に吹っ飛んでしまう戦い方であり、今回の統一地方選ではそうした候補より、地道に「どぶ板的活動」をしてきた議員が多くの得票を得て当選した。維新の牙城となっている大阪を中心とする地域において自民各議員が議席を取り返すのにもこうした地道な活動が重要であるし、自民党が第三極の躍進を食い止めるためには、全国的にこうした活動が必要だ。
今回の衆参補選の結果を経て、解散総選挙は早いのではないかとの観測も流れているが、もし次の衆院選において、維新と立憲で候補者調整などが行われれば、自民党はかなりの厳しい結果を覚悟しなければならなくなる。繰り返しになるが、自民党は地道で丁寧な活動を今一度しっかり構築することが重要である。自民党を中心とする政権を維持していくための正念場だ。