日銀は今や、自信喪失気味だ。「異次元金融緩和が成功するか、失敗するかはそれぞれ5割の確率、日銀生え抜き組が総裁になって失敗すれば日銀という組織に傷がつく」(某日銀幹部)。そんな思惑もあって、金融経済学者の植田氏に任せるというのが真相だ。
だが、植田氏がいくら学識を発揮しても、金融操作だけでデフレ圧力の元凶である需要萎縮を解決できるはずはない。岸田首相はしっかりと植田氏と話し合って、財政活用のリーダーシップをとるべきだ。(2023.02.13 国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員。1964年、高知県生まれ。1970年、早稲田大学第一政治経済学部卒。同年日本経済新入社、1984~88年、ワシントン特派員。その後、経済部編集員、米国アジア財団上級客員研究員を経て、1996年、日経香港支局長、1999年、東京本社編集委員となる。2006年、産経新聞に移籍。