中国への配慮は中国への「弱気」
中国に配慮しても何も生まれない。中国は配慮と思わず「弱気」と思うからだ。
中国は、自らが世界の中心であるという「華夷思想」であり、自分たちが作ったルールだけがルールであり、国際ルールは気に食わなければ守らなくて良いという考えだ。だから、国連海洋法条約を無視し、南シナ海の岩礁を埋め立て軍事基地化しているし、尖閣諸島に対する勝手な主張も然りである。
国交正常化40年の際には、我が国が尖閣諸島を国有化したことに対し、中国側が難癖を付け、北京の人民大会堂で開催する予定だった記念式典を中止している。
今回の50年記念行事は、東京では経済界などが中心となり29日に開かれる予定であるが、岸田総理は参加するのだろうか。もし参加するのであれば、ミサイルを撃ち込んでも平身低頭で会いに来るという間違ったメッセージにならないかと大いに危惧する。
私は、今こそ国交正常化以降の50年を、中国対応を誤った50年として反省し、中国の横暴を防ぐ出発点とすべきであると思う。中国をのさばらせることによって台湾危機は起きており、イコール日本の危機でもあるわけだが、日本は中国の横暴を食い止めてこなかったという責任が台湾の方々に対してもあると思う。
特に天安門事件後の日本の対応がそうであったし、中国が自らの横暴で招いた苦境を日本は大いに助けてしまった。我が国は中国の軍事的膨張にもっとしっかりと対応をし、横暴なふるまいをさせず、日本がアジアの平和と安定のために主導的役割を果たすべきであった。
安倍元総理の今年に入ってからの活動の活発化はまさにこうした反省への対応であったと思う。
27日の安倍元総理の国葬、29日の日中国交正常化50年を経て、日本はアジアのリーダーとして民主主義を守り、地域の平和を守り、中国、ロシアに対峙し、燦然と輝き凛とした強さを持つ「美しい国」になっていかなくてはならない。