TBS報道特集「甲状腺がん特集」があまりにも酷すぎる|渡辺康平

TBS報道特集「甲状腺がん特集」があまりにも酷すぎる|渡辺康平

明らかな誤報、結論ありきの番組構成、驚くべき偏向報道。5月21日に放送されたTBS「報道特集」があまりにも酷すぎる!福島が受ける深刻な風評被害。こんなことが許されていいのか。


郡山市はもちろん、中通りに対する許し難い冒涜

また、番組でインタビューを受けていた女性(番組内では千尋さんという仮名)は「中通りの出身」とぼやかされてはいるものの、明らかに郡山市とわかる風景でした。そして「放出された放射性物質は千尋さんの住む中通り地区にも降り注いでいた」などとナレーションと甲状腺の図を示し放送。視聴者に放射能汚染を強く印象付けるものです。

ところが、郡山市では令和4年3月末現在で、福島県実施分(令和3年11月末集計34,464人)の検査を合わせて、延べ180,192人の郡山市民の皆様の検査が終了し、全員が預託実効線量は1ミリシーベルト未満となっています。こうした事実は一切報じられません。

報道特集のこのシーンは郡山市はもちろん、中通りに対する許し難い冒涜です。

明らかな誤報

また、明らかな誤報も行っています。「報道特集」では「福島県が過剰診断と主張」と報じていますが、明確な間違いです。福島県は過剰診断を認めてません。だから、私は県議会で知事に過剰診断問題を質問しました。

さらに番組は、甲状腺の検査と治療に取り組む福島県立医科大学の鈴木眞一教授を取材した映像を使っていますが、この取材はなんと2014年のものです。この8年間で状況は変わっているにもかかわらず、なぜ8年前のインタビューを今になって持ち出してくるのでしょうか。自分たちに都合の良い番組構成にしたかったからではないか。そう疑われても仕方がないでしょう。TBSの取材はあまりにも杜撰すぎます。

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