TBS報道特集「甲状腺がん特集」があまりにも酷すぎる|渡辺康平

TBS報道特集「甲状腺がん特集」があまりにも酷すぎる|渡辺康平

明らかな誤報、結論ありきの番組構成、驚くべき偏向報道。5月21日に放送されたTBS「報道特集」があまりにも酷すぎる!福島が受ける深刻な風評被害。こんなことが許されていいのか。


問題だらけの専門家だけにインタビュー

「報道特集」の番組内で出てきた専門家は岡山大大学院の津田敏秀氏ですが、この方は、「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」という国連科学委員会報告で明示的に否定されたトンデモ論文著者であり、既に多数の誤りを専門家などから指摘され続けてきた研究者です。

もし甲状腺専門家にインタビューをするのなら、福島の甲状腺検査と過剰診断を訴えてきた髙野徹氏、緑川早苗氏、大津留晶氏らにもしっかりとインタビューすべきです。しかし、取材不足なのか、結論ありきの隠蔽か、津田氏しか出てこない。明らかに問題です。あまりにも一方的な内容は視聴者に重大な誤解を与えます。

大変な風評被害を及ぼす

それだけではありません。よくもまあこのような発言を全国に放送したなと呆れ返るほどの酷さです。

福島の甲状腺がん訴訟の井戸謙一弁護団長が「原発事故後に、福島の野菜は汚染されていて、それを食べていたから内部被曝した」という趣旨の発言をしているのです。

井戸氏のこのトンデモ発言は、原発事故以降のホールボディカウンタによる内部被ばく検査の実施状況で明確に否定されています。しかし、番組では一切その事実を無視。こんなトンデモ発言を一切の検証や反論もなしに全国に放送することは、福島に大変な風評被害を及ぼします。まさに「風評加害」以外のなにものでもありません。

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