朝日はなぜ英語版で今も慰安婦の嘘を発信し続けるのか
朝日新聞英語版の慰安婦に関する記事には印象操作がある――。この印象操作中止を求めるべく、集めた署名は1万6千筆あまり。この署名をケントさんと山岡さんが7月6日、朝日新聞に提出し、印象操作中止の申し入れと記者会見を行います。それに合わせ、『月刊Hanada2018年5月号』掲載のお2人の対談を公開いたします。朝日の慰安婦報道の海外への影響、英語表現の解説、朝日新聞訴訟の結果、そして「なぜか日本人に冷たい」朝日新聞の実態に迫ります。
読者をバカにする朝日新聞
ケント これまで朝日新聞は、ごまかしにごまかしを重ね、印象操作を行ってきました。朝日は読者をバカにしているんじゃないですか。
山岡 おっしゃるとおりです。読者に幅広い見方を提供しようというつもりがない。朝日新聞だけ読んでいる読者は、「朝日新聞の世界」の住人になってしまうのではないでしょうか。 「朝日新聞の慰安婦に関する報道で誤った事実が世界に広まり名誉を傷つけられた」などとして、在米日本人を含む62人が朝日新聞を訴えていた訴訟についてもそうです。「二審も本社勝訴判決」と8段の大きな記事で報じ、朝日新聞社広報部のツイッターアカウントは、判決を受けて「弊社勝訴で確定しました」などと勝ち誇っていましたが、彼らも自分たちの思っている世界だけで自己完結しているように思います。
ケント たしかに、2月8日に東京高裁が判決を言い渡した裁判自体は原告が敗訴しました。しかし判決文をつぶさに読んでみれば、朝日新聞が「弊社勝訴」と勝ち誇れるような内容ではありません。
山岡 まず、慰安婦報道によって生じた在米日本人に対する地元住民からの偏見や、いじめに遭った子供たちがいる、困っているお母さん方がいるという部分については、裁判所は事実として認定し、朝日新聞は一切反論していない。つまり、事実だと受け止めていると言っていい。しかし判決では、朝日新聞の慰安婦報道は70年前の軍や政府を批判するものだから、現在の在米日本人の名誉が損なわれたとは言えない、としています。
また、仮に原告である在米日本人たちに対する嫌がらせなどをした人が、朝日新聞の記事によって日本人に対する否定的な評価を持ったとしても、それ以外に様々な情報に接し、自身の考え方に照らして行動を決めるものだから、朝日の記事と原告が被った被害の相当因果関係を認めることはできない、としています。
ケント おかしな判決ですね。
山岡 朝日の記事、なかでも90年代の慰安婦キャンペーン記事が燃え上がって海外に広まり、2014年に朝日新聞が吉田清治記事を取り消したあとも余波が広がり続けていることはたしかであるにもかかわらず、「法的に因果関係を認めるまでにはいかない」と。しかし一審では「なんらの影響も与えていないということはできない」、控訴審では「主要な役割を果たしていると認めるには十分ではない」とし、影響そのものを全否定しているわけではありません。