今こそ「核共有」の議論を|河野克俊

今こそ「核共有」の議論を|河野克俊

ウクライナ戦争は戦後世界が信じて疑わなかった安全保障の前提を大きく崩すことになった。第五代統合幕僚長が説く世界の現実と核共有。


選択迫られる日本

台湾海峡問題と尖閣諸島問題を抱える我が国の最大の脅威は中国であるが、中国はロシア同様、NPT体制を支える核大国である。冷戦時代、世界の安全保障の最前線であった欧州では、ドイツ、ベルギー、イタリア、オランダの4カ国が自国の生き残りをかけて米国との「核シェアリング(共有)」を選択した。これは核使用に関する判断を米国と分かち合おうとするものだ。米中対立の枠組みの中で、世界の安全保障の最前線に立ってしまった我が国は、この新たな情勢を踏まえて、核シェアリングについても正面から議論する段階に来ている。(2022.04.04国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)

河野克俊

https://hanada-plus.jp/articles/989

1954年(昭和29年)、北海道生まれ。昭和52年に防衛大学校機械工学科卒業後、海上自衛隊入隊。第三護衛隊群司令、佐世保地方総監部幕僚長、海上幕僚監部総務部長、海上幕僚監部防衛部長、掃海隊群司令、海将に昇任し護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長を歴任。平成26年、第五代統合幕僚長に就任。三度の定年延長を重ね、在任は異例の四年半に渡った。平成31年4月退官。川崎重工業(株)顧問。

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