「プーチンの戦争」を止められるのは誰か|和田政宗

「プーチンの戦争」を止められるのは誰か|和田政宗

核の恫喝、極超音速ミサイルの使用。ロシアは市民に対する無差別爆撃を繰り返しており、多くの子供が亡くなっている。プーチン大統領の狙いはどこにあるのか。誰がプーチン大統領の暴走を止めることができるのか。日本外交の真価がいま問われている――。


日本に求められる強力なリーダーシップ

こうしたなか、日本はウクライナをめぐりキーとなる各国との外交を19日からの3連休で展開した。岸田首相はインドを訪問しモディ首相と会談した。インドは、2月の国連安全保障理事会で対露非難決議に中国、UAEとともに棄権している。

ロシアからの兵器輸入などの関係から棄権したとみられるが、日印首脳会談では「力による一方的な現状変更はいかなる地域でも許してはならない」ことが確認された。

また、林外相はトルコを訪問し、チャウシュオール外相と会談。トルコは10日、ロシアのウクライナ侵略後初めて、ロシア外相とウクライナ外相、トルコ外相による3か国外相会談を実現している。日トルコ外相会談では、ロシアの軍事侵攻は国際法の重大な違反だという認識で一致し、国際秩序の根幹を守り抜くため協調して対応していくことを確認した。

このような外交を展開することについては重要なことであり評価したいが、安倍元総理、菅前総理の時のように、G7やクアッドの枠組みを活かした強力なリーダーシップが日本には今こそ求められる。安倍政権以後、日本は世界各国から、米国、ロシアに並ぶ世界の外交的リーダーとの評価を受けている。停戦、そしてロシア軍の全面撤退に向け日本が中心となって外交を展開すべきだ。

現政権のメンバーのみならず、安倍元総理、菅前総理の力も借りてフルで外交を展開しなければ、日本が築き上げた、世界のトップリーダーであるという外交的信頼を失うだろう。世界の平和を守るためにも、ロシアや中国の東アジアにおける侵略を防ぐためにも今こそ行動すべきである。私は自民党内で強く提起し政府に働きかけ、実現していきたい。

月刊『Hanada』2022年4月号

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