尹氏の文政権批判は「ダブルスタンダードで不正腐敗捜査を妨げている」ことが理由であって「親北左派路線が韓国の自由民主主義を崩壊させる」からではない。与党候補の李在明氏が当選しなかったので、米韓同盟が危機を迎え朝鮮半島全体が全体主義勢力である中国共産党政権と北朝鮮の手に落ちるという最悪のシナリオは当面避けられた。そのことだけは今回の選挙の成果だが、親北左派と戦う覚悟がない尹次期政権の前途は多難だ。(2022.03.14国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授。1956年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。筑波大学大学院地域研究科修了(国際学修士)。韓国・延世大学国際学科留学。82〜84年、外務省専門調査員として在韓日本大使館勤務。90〜02年、月刊『現代コリア』編集長。05年、正論大賞受賞。17年3月末まで、東京基督教大学教授。同4月から、麗澤大学客員教授・モラロジー研究所「歴史研究室」室長。著書に『でっちあげの徴用工問題 』など多数。