なぜ「核」を議論しないのか|岩田清文

なぜ「核」を議論しないのか|岩田清文

プーチン・ロシア大統領と同様、習近平中国国家主席が誤算と過信に陥り、台湾に攻め込んだ際、台湾防衛に参戦した米軍を支援する日本に対し核の恫喝を行ってきたら、日本はどう対応するのか。


欧州では、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコ5か国が、戦闘機に搭載可能な核爆弾約100発を米国と共有し、ロシアの核を抑止している。米国の「核の傘」に入っているだけで自国の安全が守れるとは思っていない証左である。

今日のウクライナが明日の日本にならないためにも、安倍元首相や中川氏が指摘するとおり、どうすればわが国の安全を確保できるのか、非核三原則の見直しを含め、あらゆる方策をタブー視することなく議論すべきではないのか。(2022.03.14国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)

岩田清文

https://hanada-plus.jp/articles/262

1957年生まれ。79年に防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。戦車部隊勤務を経て、93年、米陸軍指揮幕僚大学へ留学。2010年、陸将、第7師団長。11年、統合幕僚副長。12年、北部方面総監。13年、第34代陸上幕僚長と歴任し、16年に退官。

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