憲法改正への大前提「自衛隊は軍隊」だ|玉木雄一郎

憲法改正への大前提「自衛隊は軍隊」だ|玉木雄一郎

11月7日、玉木雄一郎代表はツイッターに「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と投稿。「比例は1議席も取れない」と言われながらも、「改革中道」「対決より解決」の立場を貫き、選挙で躍進した国民民主党。惨敗した立憲民主党とは何が違うのか。2021年2月号(2020年12月21日発売)に掲載されたインタビューを特別公開!(※肩書等は当時のママ)。


憲法改正は53条からやるべき

──先の予算委員会で「1発目の国民投票を憲法9条でやると荒れる」とご発言なさいましたが、ではどの項目からやるべきなのでしょう。

玉木 私は憲法53条からやるべきだと思います。

●憲法53条
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。


この条文には期限がないので、政府はいつまでも逃げることができるし、野党もこれに対して「逃げるな」「違憲だ」などと責めたてる。

であるならば、2012年の自民党憲法改正草案にあるように、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と期限を入れ、憲法改正すればいい。野党もこれなら反対できないでしょう。与党も自分たちの案ですから、反対するわけにはいかない。

お試し改憲という言葉は好きではないですが、与党も野党も反対しようがないところから変えていかないと、100年経っても不磨の大典のままでしょう。

竹下登元総理がかつて「いまの憲法のまま国民投票にかけてみてもいい」という発言をしたと聞いていますが、こういう手法もありかなと思いますね。

──「安倍政権の間は改憲論議はできない」と立憲民主党などは主張していましたが、菅政権になっても議論には消極的です。

玉木 相手がどうこうではなく、自分たちが作り出したい価値とか、国家観とかを示さなければいけない。「国のかたち」をもっとも示せるのが憲法だ、と私は思っています。

憲法とは「constitutional law」ですから訳しにくいのですが、構成する法体系、つまり「国のかたち」です。

──「国のかたち」を示せない党はいらない、と。

玉木 それぞれの党が自らの目指す「国のかたち」を示すべきであって、それを憲法で示すのがいちばんわかりやすいのではないでしょうか。憲法審査会の場でそれを戦わせればいい。

憲法議論を封じる立憲民主党

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──憲法改正をめぐって玉木代表が自民党や日本維新の会の幹部らと会談を重ねていることに、立憲民主党からは「野党連携の足並みを乱す」「選挙協力などに影響する」との批判もあります。

玉木 立憲民主党は「一言一句変えてはいけないという立場ではない」と憲法への考え方をまとめておられますが、であるならば、憲法審査会での審議に消極的なのはなぜなのか。

立憲民主党の綱領には「立憲主義を深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行います」と明記されています。にもかかわらず、議論そのものを封じるような言動は熟議の民主主義に反する。

──国民から見てわかりにくいのが、国民民主党は立憲民主党などとの衆院共同会派を離脱しながら、立憲民主党、共産党との選挙協力は行うという点だと思います。前原誠司さんはかつて「共産党はシロアリ」と批判し、共産党との選挙協力に否定的な見解を語っていました。

玉木 我々は共産党とは組んでいません。私のところの選挙区(香川県第2区)では候補者を立てられていますし、前原さんも同じです。

1対1の選挙ですから、調整するところは調整してきたというところは否定しません。ですが、選挙協力ではない。強いて言うならば、戦術的調整でしょうか。「比例は公明党に」とは違うと思いますよ(笑)。

──「是々非々」「中道路線」では選挙で埋没してしまうのではないか、との危機感みたいなものはないんですか。

玉木 それはあります。「なんでも反対」を掲げたほうが目立ちますからね、いい悪いは抜きにして。しかしそこは踏ん張って、「なんでも反対」という安易な流れに乗らないようにしなければいけない。そのために、我々16人は集まったわけですから。

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