中国の罠にハマった河野太郎と日本端子|山岡鉄秀

中国の罠にハマった河野太郎と日本端子|山岡鉄秀

火のないところに煙を立てる天才・朝日新聞は、日本端子の問題をなぜ追及しないのか。いまなお「モリカケ、桜」に御執心の「立憲共産党」も、この問題にはなぜダンマリなのか。政治家の利益相反問題は、河野太郎が総裁候補になり得ないヒラ議員であったとしても許されることではない!


自民党の党員票は工作のターゲット

さて、総裁選で敗れた河野太郎氏は「党員100万人新規拡大構想」を明らかにし、党員票で圧勝して総裁になることを目指すと言い出した。党員票とはいったい何なのか。

誰でも4,000円払えば自民党の党員になれる。各議員は党員数ノルマを課せられており、集められなければペナルティをポケットマネーから払うことになる。いきおい、金はこちらで払うから名義を貸してくれといったことが横行し、自分が自民党員だと自覚しておらず、投票用紙が送られてきてびっくりしたというようなケースが頻発することになる。

入党資格は以下だけだ。
①わが党の綱領、主義、政策等に賛同される方
②満18歳以上で日本国籍を有する方
③他の政党の党籍を持たない方

そして、「総裁選挙の前2年継続して党費を納めた党員の方は、総裁選挙の有権者になります」とある。ただしこの条件は説明もなく緩和される。

申し込みはネットで完結し、国籍などのチェックや本人確認がなされているとは思えない。もちろん、真面目な党員も存在するが、どこの誰ともわからない、本人すら自覚していない有象無象の党員が大量に存在し、実質的に日本国総理大臣を選出する自民党総裁選の有権者となっている。

そんな党員票が第1回投票では議員票と同等の50%の比率を占めて大きな影響力を持つことになる。これでは議院内閣制を否定することになりかねない。

また、こんな脇の甘いシステムを、外国政府を含む反日勢力が利用しないはずがないではないか。河野太郎氏が目論むのと同様に、外国政府が100万人の票買収に成功すれば、自分たちにとって都合のよい候補を総理大臣にしてしまうことができるのである。

自民党は直ちに制度を改正し、議員投票のみにするか、党員投票資格を別に定め、より厳しい条件を課し、本人確認を徹底しなければならない。

このように、有力議員は中国政府に逆らえば美味しい中国ビジネスを失う構造に堕ち、実質的に総理大臣を選ぶ自民党総裁選は外国による工作の格好のターゲットになっている。これほどまでにサイレント・インベージョンに侵されていることを自民党総裁選が教えてくれたのである。

自由民主党に早急な対処を求める。

月刊『Hanada』2021年12月号

vs.中国(バーサス・チャイナ)― 第三次世界大戦は、すでに始まっている!

著者略歴

関連する投稿


新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

とるべき財政政策とエネルギー政策を、アメリカの動きを参照しつつ検討する。自民党総裁候補者たちは「世界の潮流」を本当に理解しているのだろうか?


なぜ自民党総裁選で青山繁晴さんを支援するのか|和田政宗

なぜ自民党総裁選で青山繁晴さんを支援するのか|和田政宗

9月12日(木)に告示され、27日(金)に開票が行われる自民党総裁選。私が選対事務局長を務める青山繁晴さんは、8月23日に記者会見を行った。しっかりと推薦人20人を9月12日に確定できるよう頑張りたい。(写真提供/産経新聞社)


アメリカは強い日本を望んでいるのか? 弱い日本を望んでいるのか?|山岡鉄秀

アメリカは強い日本を望んでいるのか? 弱い日本を望んでいるのか?|山岡鉄秀

副大統領候補に正式に指名されたJ.D.ヴァンスは共和党大会でのスピーチで「同盟国のタダ乗りは許さない」と宣言した。かつてトランプが日本は日米安保条約にタダ乗りしていると声を荒げたことを彷彿とさせる。明らかにトランプもヴァンスも日米安保条約の本質を理解していない。日米安保条約の目的はジョン・フォスター・ダレスが述べたように、戦後占領下における米軍の駐留と特権を日本独立後も永続化させることにあった――。


中国、頼清徳新総統に早くも圧力! 中国が描く台湾侵略シナリオ|和田政宗

中国、頼清徳新総統に早くも圧力! 中国が描く台湾侵略シナリオ|和田政宗

頼清徳新総統の演説は極めて温和で理知的な内容であったが、5月23日、中国による台湾周辺海域全域での軍事演習開始により、事態は一気に緊迫し始めた――。


自衛隊の災害派遣経費は自腹でいいのか?|小笠原理恵

自衛隊の災害派遣経費は自腹でいいのか?|小笠原理恵

「休暇中に帰省するのは許可するけど、何かあったときは自腹で帰ってきてねというスタンスです」と自衛隊幹部。被災地で活躍する自衛隊に多くの国民が感謝しているが、自衛隊では災害派遣活動中でも自腹負担が多数みられる――。(サムネイルは「陸上自衛隊 中部方面隊」Xより)


最新の投稿


【今週のサンモニ】兵庫県知事選はメディア環境の大きな転換点か|藤原かずえ

【今週のサンモニ】兵庫県知事選はメディア環境の大きな転換点か|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


なべやかん遺産|「ゴジラフェス」

なべやかん遺産|「ゴジラフェス」

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「ゴジラフェス」!


【読書亡羊】闇に紛れるその姿を見たことがあるか  増田隆一『ハクビシンの不思議』(東京大学出版会)

【読書亡羊】闇に紛れるその姿を見たことがあるか 増田隆一『ハクビシンの不思議』(東京大学出版会)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


「103万円の壁」、自民党は国民民主党を上回る内容を提示すべき|和田政宗

「103万円の壁」、自民党は国民民主党を上回る内容を提示すべき|和田政宗

衆院選で与党が過半数を割り込んだことによって、常任委員長ポストは、衆院選前の「与党15、野党2」から「与党10、野党7」と大きく変化した――。このような厳しい状況のなか、自民党はいま何をすべきなのか。(写真提供/産経新聞社)


【今週のサンモニ】オールドメディアの象徴的存在|藤原かずえ

【今週のサンモニ】オールドメディアの象徴的存在|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。