釜山市長選には、「保守再建」や日本領事館前の慰安婦像撤去を公約に掲げた元韓国経済新聞主筆の鄭奎載氏も出馬した。鄭氏は「何の罪もない朴槿恵前大統領が4年も監獄に入れられたままだ。野党は法治を無視して朴槿恵を監獄に送った共犯者だ。次に文在寅一派を監獄に入れても韓国は正常化しない。自由民主主義、法治、市場経済を守らなければ、韓国は全体主義陣営に吸収されて亡びる」と喉をからして演説した。しかし、結果は得票率1%で、惨敗だった。今回の選挙結果を韓国政治の正常化の兆しだと楽観できない理由はここにある。(2021.04.12国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授。1956年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。筑波大学大学院地域研究科修了(国際学修士)。韓国・延世大学国際学科留学。82〜84年、外務省専門調査員として在韓日本大使館勤務。90〜02年、月刊『現代コリア』編集長。05年、正論大賞受賞。17年3月末まで、東京基督教大学教授。同4月から、麗澤大学客員教授・モラロジー研究所「歴史研究室」室長。著書に『でっちあげの徴用工問題 』など多数。