確認の結果、柳前教授は質疑応答冒頭から売春問題の歴史的、世界的普遍性を説いていることが分った。そして、人類において常に存在して今後も存在せざるを得ない社会的性道徳問題に対して、日本にのみ責任を問う韓国社会の偽善と二重性問題について、学生たちと長時間対話を続けた。
「日本という国家だけがこうした犯罪をしたのではなく、世界中の国家がこうした売春を黙認していますね、現在。オランダに行けば集娼村が未だあります。
(中略) オランダ政府が放置しているのではないですか? なぜオランダ人は放置するのか? だから、全て日本が誤ったと執拗に追い込もうとするのが挺身隊、慰安婦対策…あの人たちですが、わが国政府も米国政府もオランダ政府も、いずれも同じ問題を抱えている訳で、もちろんそれを道徳的に誤っていると判断すべきです。私もそう思います、道徳的に。しかし(売春は)存在するのです、それは。存在することを、日本に対してだけ罵る、おかしなことです。
(中略)否、朝鮮時代にも売春があったので朝鮮政府が責任取るべきことではないのか? その話はなぜしないのか? なぜ日本だけを掴まえて、この話をするのか。理解できない? 日本を憎むフレームに完全に取り込まれているのです、いまの質問のアングルが。全世界に、ユビキタスの中にあるのが売春です。歴史的に、昔から現在まで続いており、今後もあり続けると私は思います。道徳的には誤っていますが、存在するのが現実です。
(中略)日本のみならず、全ての国に対して同じ問題提起するとか、現在大韓民国政府も放置しています。文在寅も放置しています。江南に一度行ってごらんなさい。どれほど多くの売春が存在しても、皆知らん顔していますね。インターネットにアクセスしてごらんなさい。お兄さんがどうのこうの、毎日目にします、私も。皆さんも経験していますよね、現在。インターネットを立ち上げるとあれやこれやですね毎日、なぜそれを放置しているのか。文在寅政府はその話をなぜしないのか。同様にしなければならないでしょう」
柳前教授は、慰安婦について、日本政府または日本の軍隊が朝鮮の女性たちを強制連行して性奴隷にしたという一部の説は事実ではなく、関係学界の研究を引用して慰安婦は売春の一種であるだけで、日本が直接的な加害者ではないことを重ねて強調した。慰安婦問題で強制連行説と性奴隷説を明確に否定したこの発言内容は現在、柳前教授が刑事裁判に掛けられた最大の核心的争点になっている。
「直接的な加害者が日本でないのだから、売春の一種なのだから。(中略)現在(『反日種族主義』の著者である)李栄薫が語ることです。(慰安婦募集は)民間がしたことであり、国家が放置したということです。これが事実ということです。日本が、日本国家、日本の軍隊が主導したのではないということです、いま話すことは。しかし、皆さんはそのように(強制連行説と姓奴隷説が事実だと)知っているのですね。それが誤りだと話しているのです、私は。(皆さんの)メンタル崩壊が訪れることでしょう。それまでに知ったこと、自分が誤っていた、あの人は自分がよく知らなかったと話すのに、それに気付けばメンタル崩壊するであろうに、とにかくよく知らないのですよ、ただ。『日本国家、日本の軍隊が売春を主導した』と思っていますね。『それは違う』と話しているのです、現在、李栄薫と私と多くの人々が。本人の意志というのは、現在売春に手を染める人々は本人が100%、『自分で積極的に売春しよう』と言いながら入りますか? 違う。売春に対する疑心と躊躇、それがありながらも連れて行かれます、なし崩し的に。それで売春が生じた。その全く同じ過程があったはずです」
柳前教授は、慰安婦たちが慰安所に行くことになった経緯について、初期の証言は「自意半分、他意半分」だと語っていたが、後日の証言は全て『強制連行』に変わったとして、その背景に挺対協があると指摘した。検察は、こうした発言も柳前教授が挺対協の名誉を虚偽事実で棄損したと見なした。