録音記録に記録されているように、講義中、私は慰安婦たちが「自意半、他意半」で売春行為に入るようになったと言いました。「自意半、他意半」という用語は、貧乏という構造的条件に特定の個人が反応して慰安婦になるという状況を説明しようと選択した用語です。貧困から抜け出すためにお金を稼がなくてはいけないと考える過程に、民間の就職詐欺師が介入した状況について、私は「自意半、他意半」という表現をしました。したがって、この発言は虚偽の発言ではなく、真実に基づいた発言でした。売春に従事することになる慰安婦の選択が100%自発的だという趣旨の言葉を私は決して話しませんでした。
一方、「自意半、他意半」という問題は、今日の売春にも同じように現れている問題です。なぜなら、崔ジョンギョン検事が起訴状で指摘したように、今の淪落女性たちも過去の慰安婦のように、「経済的見返りを得るために自発的に選択した職業としての売春に従事した」と見ることができないためです。もし「自意半、他意半」のいう発言が虚偽発言であるなら、売春に関する学術的研究成果を根こそぎ否定する結果をもたらすだけであります。ですから、この発言は過去に存在した、そして今日にも存在する売春の属性を比較研究する必要があることを強調した講義室での学術的な発言に過ぎません。
2「慰安婦お婆さんを教育した」は虚偽発言か
挺対協はこれまで30年間、毎週水曜日に開催するいわゆる「水曜集会」を通して慰安婦おばあさんたちを持続的、そして周期的に集会に参加させ、挺対協の立場とスローガンを繰り返して聞き、ついて叫ぶようにしてきました。一部の慰安婦おばあさんたちは「ナヌムの家」で一緒に暮らしながら挺対協の活動を積極的に支えました。この過程で挺対協は慰安婦たちに「自意半、他意半」で慰安婦生活に入ったという事実から目をそらさせ、「強制動員」されたものと考えさせる効果を得ました。これについて一部では慰安婦たちが「被害者」から「人権運動家」に生まれ変わったという言い方までしています。
しかし、この言葉の意味を解釈するなら、慰安婦たちの証言が「自意半、他意半」から「強制動員」に変えられたという話しでしかありません。この事実は、挺対協が1990年代から2000年代初めまでにシリーズで出版した本『強制連行された朝鮮人軍慰安婦たち』(1~5券)に登場する慰安婦たちの初期の証言と、慰安婦たちの最近の証言や挺対協代表だった尹美香が2016年に出版した本『25年間の水曜日』に登場する記録を比較、検討すると明確に現れます。
初期の出版物はすべて、それぞれの慰安婦たちが「自意半、他意半」で慰安婦生活に入って行く過程を赤裸々に確認してくれています。しかし、最近の慰安婦たちの証言は「強制動員」の方向に話しが変わりました。また、この変わった話しは、尹美香の2016年の本に登場する慰安婦たちに関する「強制動員」の記述と一致します。このような変化の過程について、私は「教育」という表現をしたのです。「食卓教育(家族で定期的に食卓を囲むこと)」も教育ですが、30年にわたって毎週繰り返される学習が教育でなければ果たして何が教育ですか。