中村時広愛媛県知事の虚偽答弁!【告発レポート第2弾】|長谷川学

中村時広愛媛県知事の虚偽答弁!【告発レポート第2弾】|長谷川学

70億円もの血税が投じられた前代未聞の大規模環境汚染。その責任者である中村時広愛媛県知事は現在に至るまで一切の説明責任を果たしておらず、そればかりか虚偽答弁を重ね逃げ回っている。愛媛県内で絶大な権力を誇る知事に対してメディアも忖度し完全に沈黙。地方行政の驚くべき腐敗を徹底追及する告発レポート第2弾!


都合の悪い取材は一切受けず逃げ回る

ところが中村氏は、県政担当記者の質問に「得たり」とばかりに反応。加計学園絡みのメモの信憑性を得意げに話し、私の「取材力」を揶揄した。

「全く次元の違う話ですから、加計学園のメモというのは、国から出てきたメモですから、われわれは全然関与していないんですよね。国の方から出てきたメモについて、どうなのかと問われたので、それ本当のメモですよ、うちの職員が書いたメモですよ、中身は間違いありませんよ、ということをわれわれは申し上げただけなので、全く次元の違う話じゃないのかなと。だから、ちょっと取材の力がどうなのかなというふうに感じましたけれどね。はい」  

せっかくのご指摘なので、私は「取材の力」を磨くよう心掛けるが、中村氏も、都合の悪い質問から逃げ回るのを止めるようお勧めする。  

そもそも中村氏は、私が出した質問書に対し、1週間以上の猶予があったにもかかわらず、一切回答してこなかった。  

回答期限が過ぎても連絡がないので期限を2日間延長し、本誌編集部が中村事務所に回答を催促したところ、事務所側は「あとで担当者から連絡させます」と答えたものの、電話一本かけてこなかった。さらに、先月号(2019年3月号)の発売後に、再質問書として改めて同様の質問項目を事務所に送付したが、一切連絡はこなかった。  

もちろん、取材を受ける、受けないは中村氏の自由だが、都合の悪い取材には一切答えないというのでは、「ものを言う知事」の名が泣くだろう。

元暴力団員の自殺未遂事件

今回のレポートの最後に、中村知事会見で質問が出た元暴力団組員の自殺未遂事件について触れておく。  

この事件は、本誌発売の5日前に起きた。毎日新聞の報道を引用する。

「21日午前2時ごろ、松山市一番町四丁目の愛媛県庁本館の正面玄関付近で、拳銃のようなものを握った男性(76)が負傷して倒れているのを警備員が見つけた。(中略)松山東署は自殺を図った可能性もあるとみて、拳銃かどうか確認している」  

その後の松山東署の調べで、この男性は愛媛県新居浜市の元暴力団組員と判明。元組員は28日、回転式拳銃一丁と実弾数発を所持したとして、銃刀法違反(拳銃加重所持)の疑いで逮捕された。  

この事件について、会見で質問を受けた中村氏は次のように話した。

「今回、これは確認は取れていないんですけれども、この方(容疑者)もレッグの関係があるやにも聞いていますので、何かがあるのかなという、ちょっとそんな気がしていますね」  

その後、2月6日、テレビ愛媛が「県庁前で拳銃で自殺を図った男 動機は“レッグ問題への抗議か”」という続報を流した。  

それによると、元暴力団組員の容疑者は自殺の動機について、レッグの問題で不正をただすために自決するつもりだったという趣旨の話をしていることが新たに分かったという。  

テレビ愛媛は「中村知事が松山市長時代に、松山市の産業廃棄物最終処分場レッグに処分場の杜撰な管理があったもので、その後、汚染水が漏れ出したため、対策工事などにおよそ70億円の巨額の公費がかけられています」とも伝えた。  

何やらきな臭い事件だが、事件は本誌が発売される5日前に発生しており、断るまでもなく、本誌の報道と事件は何の関係もない。  

私はレッグ問題に関連する資料を多数入手し、多くの関係者の証言も得ている。私はこの問題を引き続き取材し、報道していくつもりである。

著者略歴

関連する投稿


被害者続出でも国は推進の異常! 成年後見制度は 「国家によるカツアゲ」|長谷川学

被害者続出でも国は推進の異常! 成年後見制度は 「国家によるカツアゲ」|長谷川学

なぜ国連勧告を無視し続けてまで政府は成年後見制度を促進するのか? なぜ新聞やテレビは被害者が続出しているにも拘わらず報じないのか? いまも平然と行われ続けている弱者を喰いモノにする「国家によるカツアゲ」。その実態を告発する。


枝野幸男クン、あんたアホや|九段靖之介

枝野幸男クン、あんたアホや|九段靖之介

衆議院選挙で立憲民主党と日本共産党とが選挙協力をし、立憲が仮に、万が一、あり得ないだろうが、衆院選で政権を取ったら、共産党は「限定的な閣外からの協力」を行うことで合意。いまや「立憲共産党」とも言われているが、この合意から想起するのは、ソ連共産党の権力構図だった――。


菅総理のコロナ対応は「先手、先手」だ|下村博文(自民党政調会長)

菅総理のコロナ対応は「先手、先手」だ|下村博文(自民党政調会長)

菅総理はコロナ対応と経済とのバランスを考えたギリギリの判断を行っている。野党もメディアも無責任すぎる!自民党政調会長が「コロナ対応後手、後手」批判に全て答える。(聞き手:政治評論家・田村重信)


北京五輪の開催地変更を求めよ|櫻井よしこ

北京五輪の開催地変更を求めよ|櫻井よしこ

今こそ問うべきだ。世界を大中華主義で染めたいのか。人権弾圧を続けて民主主義を息絶えさせたいのか。国際法を中華の法の支配に替え、世界秩序を大転換したいのか、と。


“ネット財閥”が民主主義を殺す|久保弾(ジャーナリスト)

“ネット財閥”が民主主義を殺す|久保弾(ジャーナリスト)

現代の公共広場(アゴラ)たるネット空間。 自由に議論できたはずのアゴラが、ネット財閥によって危機にひんしている。 トランプのアカウント停止を支持する自称リベラル派エリートたちの欺瞞を暴く!


最新の投稿


【今週のサンモニ】「トランプ」と「ハリスさん」の使い分け|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「トランプ」と「ハリスさん」の使い分け|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】データが浮かび上がらせる「元自衛隊員」の姿とは  ミリタリー・カルチャー研究会『元自衛隊員は自衛隊をどうみているか』(青弓社)

【読書亡羊】データが浮かび上がらせる「元自衛隊員」の姿とは ミリタリー・カルチャー研究会『元自衛隊員は自衛隊をどうみているか』(青弓社)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

8月23日、青山繁晴さんは総裁選に向けた記者会見を行った。最初に立候補を表明した小林鷹之さんに次ぐ2番目の表明だったが、想定外のことが起きた。NHKなど主要メディアのいくつかが、立候補表明者として青山さんを扱わなかったのである――。(サムネイルは「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」より)


総裁選候補に緊急アンケート15問|野田聖子議員

総裁選候補に緊急アンケート15問|野田聖子議員

混戦となっている自民党総裁選。候補者たちに緊急アンケートを実施し、一人ひとりの実像に迫る!


総裁選候補に緊急アンケート15問|青山繁晴議員

総裁選候補に緊急アンケート15問|青山繁晴議員

混戦となっている自民党総裁選。候補者たちに緊急アンケートを実施し、一人ひとりの実像に迫る!