人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国との「100年間の独立闘争」|石井英俊

人権弾圧国家・中国と対峙し独立を勝ち取る戦いを行っている南モンゴル。100年におよぶ死闘から日本人が得るべき教訓とは何か。そして今年10月、日本で内モンゴル人民党100周年記念集会が開催される。


では、その内モンゴル人民党、そしてその前身である内モンゴル人民革命党とはどのような組織なのか。最初に今年(2025年)は内モンゴル人民革命党が結成されてから100周年であることを述べたが、それはどのような時代背景によるものなのかを概説する。

モンゴルと言えば、13世紀前半にモンゴル帝国を築き上げたチンギス・ハンを誰もが思い浮かべるだろう。今でも全てのモンゴル人たちにとって神にも等しい英雄として尊敬される存在だ。そしてその孫であるフビライ・ハンが中国全土を征服して「元」を建国する。この頃までがモンゴルの最も輝かしい時代であろう。その後モンゴルは分裂し力を弱めていく。

時代は下って17世紀に入り、満州(現在の中国東北部)において満州人(女真族)が「後金」を建国し、さらに後金は中国とモンゴルを支配下に収めて「清」を建国する。この清が、チベットやウイグルをも支配下に収め、歴史的に「中国」の最大版図を実現することになる。現在の中国、習近平が主張する「歴史的な中国の領土」とは、この清王朝(満州人)が築いたものだ。

内モンゴル人民革命党結成大会

東アジア戦乱の時代へ

栄華を誇った清も19世紀には力を失っていく。1840年アヘン戦争、1894~1895年日清戦争の敗北で清は一気に凋落していく。その中で、清からの独立を目指す機運が、モンゴル人も含めた各民族の中で高まってくる。そして遂に清王朝が滅亡するのが、1911~1912年の孫文による辛亥革命だ。いわゆるラストエンペラー、宣統帝(愛新覚羅溥儀)が退位し、清はその幕を下す。ここから、モンゴルを含め、清の巨大な版図であった東アジア全体が大変な戦乱の渦へと突入していくことになる。

Getty logo

日清戦争

関連する投稿


イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

イラン戦争の陰で中国が笑う――台湾有事を呼び込むアメリカの誤算|山岡鉄秀

米国が中東に足を取られて笑うのは誰か。イラン戦争は日本にとって対岸の火事ではない。米国の消耗は台湾有事を呼び込み、日本の安全保障を直撃する――。 日本に「プランB」はあるのか。


ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】

ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】

月刊Hanada2026年3月号に掲載の『ロ・中・イラン・北朝鮮 悪の枢軸四カ国大混乱|長谷川幸洋【2026年3月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『習近平主席の焦りと虚構の「日中紛争」|青山繁晴【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『【現代中国残酷物語 拡大版】香港大火災は中国式大人災だ|福島香織【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】

月刊Hanada2026年2月号に掲載の『中国軍機レーダー照射事件 三つの問題点|織田邦男【2026年2月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


最新の投稿


【読書亡羊】テック右派が抱く焦燥感の正体とは  カーティス・ヤーヴィン『ネオ君主論』(PHP)|梶原麻衣子

【読書亡羊】テック右派が抱く焦燥感の正体とは カーティス・ヤーヴィン『ネオ君主論』(PHP)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】「国会軽視」と罵るコメンテーターの驕り|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「国会軽視」と罵るコメンテーターの驕り|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【今週のサンモニ】リニアについてもミスリードと有害コメント|藤原かずえ

【今週のサンモニ】リニアについてもミスリードと有害コメント|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【今週のサンモニ】円安と定数削減について光るコメント|藤原かずえ

【今週のサンモニ】円安と定数削減について光るコメント|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】中身スカスカショート動画に負けない良質「政治コンテンツ」化のススメ  澤田大樹『永田町の人をウォッチしてみた』(カンゼン)|梶原麻衣子

【読書亡羊】中身スカスカショート動画に負けない良質「政治コンテンツ」化のススメ 澤田大樹『永田町の人をウォッチしてみた』(カンゼン)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!