外国特派員協会での記者会見
監視カメラによって暴かれた伊藤詩織のウソ
全裸で待ち構えているところに、従業員が警察を連れて現れれば現行犯逮捕である。この一回の行為で人生は一巻の終わりだ。
もし山口氏がデートレイプドラッグ(以下、DRD)を使用したとすれば、その動機は伊藤氏に性行為の事実を気付かせないことにあったはずである。その場合、山口氏はなじみでない薄暗いバーなどで薬を入れ、伊藤氏を別室または別のホテルに宿泊させ、昏睡の最も深いチェックイン直後に姦淫し、着衣の乱れなど痕跡を消し、枕元に見舞の手紙を置くなどして速やかに立ち去るのではないか。
また、山口氏が薬を使っていなくとも、泥酔した女性への性的下心があったなら、寿司屋から100メートル足らずにラブホテルがあり、至近にシティホテルもある。高級ホテル内のバーが営業中の時間に、エントランスからフロントを数分掛けて女連れで部屋に入るのは、立場のある人間としてかなり大胆、無防備な振る舞いであろう。
伊藤氏の証言は、伊藤氏と山口氏が2人とも最もやりそうもないことばかりを主張しているのである。
だが、いずれにせよ、ブラックボックスはここで終わる。
午前5時50分過ぎに、2人の投宿したシェラトン都ホテルの合計3台の監視カメラが、伊藤氏がフロントを通り抜け、ホテルを立ち去って行く姿を捉えているからだ。
伊藤氏は、スキニーパンツとスプリングコートに身を包み、胸を張り、大股で力強く足早にホテルを出ていく。顔つきは晴れやかで落ち着いており、足取りもたしかだ。直前に強姦され、窒息死するかという深刻な暴行を受けた人間の姿とは到底信じられない。
不安、恐怖を背後に感じている時、人は歩幅が小さく、小走りになる。背後に神経を研ぎ澄まし、振り向くか、背中に全神経を集中させる。可能な限り早く山口氏の恐怖から逃れるには、フロントに逃げ込むのが一番よい。何しろ、暴行を受けたのは10分か15分前のことなのだ。
ところが、監視カメラが捉える伊藤氏はフロントに目もくれない。
スマートフォンをチェックするそぶりも、全く日常そのものだ。
何よりも、伊藤氏はこの時、山口氏から受けた暴行により、「凄い衝撃を受けて膝がずれてい」たはずである。歩行は困難だったに違いない。
ところが、監視カメラに映る伊藤氏は堂々たる闊歩ぶりで、膝にトラブルがあるようには全く見えない。
伊藤氏の証言と著しく異なる姿と評する他はない。