2月11日、内乱容疑でソウル拘置所に収監中の尹大統領は、弁護団を通じて「国民が自由大韓民国を守っている限り、弾劾工作には必ず打ち勝つ」との声明を発表た。とても意味深な発言でだが、ここで言う「弾劾工作」とは一体何を指しているのか。
12・3非常戒厳令が解除されるや否や、民主党をはじめとする巨大野党は、尹大統領が政治的目的のために軍を動員し内乱を引き起こしたとし、大統領に対する弾劾案を国会で推し進めた。一度は失敗したものの、野党は12月14日、一部の与党議員を取り込み、ついに弾劾案を可決させた。弾劾訴追案には「内乱」という用語が実に29回も繰り返され、訴追事実の七割以上を占めている。
しかし、刑法上の「内乱罪」の定義は極めて明確である。刑法第87条および第91条によれば、内乱罪とは「国憲紊乱、すなわち現行憲法や法律、または国家機関を武力で無力化する目的で暴動を起こした者」を指す。12・3戒厳令とその後の状況は世界中で生中継されたが、戒厳軍が法秩序や国会、その他の国家機関を武力で転覆させようとした証拠は一切ない。むしろ、一部の市民による激しい抵抗により、軍人が負傷する事態が発生した。それにもかかわらず、野党は尹大統領を「内乱の首謀者」として位置づけ、執拗にそのイメージを国民に刷り込み続けた。
こうした野党の扇動に呼応するかのように、12・3戒厳令に関与した一部の高官や軍関係者もお粗末な証言を乱発した。特に、クァク・ジョングン前特殊戦司令官は12月10日の国会公聴会で、戒厳令当時、尹大統領から直接電話を受け、「国会の門を壊し、国会議員を引きずり出せ」という指示を受けたことを認めた。また、ホン・ジャンウォン前国情院第一次長は、戒厳令の直後に尹大統領から電話で「この機会にみんな摘発し処理せよ」と指示を受けたと供述。その証拠として、ヨ·インヒョン防諜司令官との通話中に作成したメモを提示し、ヨ司令官が野党代表の李在明を含む十人余りの逮捕名簿を読み上げ、検挙を要請したと主張した。この二人の証言は、尹大統領に対する国会での弾劾と拘束起訴の核心的な証拠として使用された。