LGBT法案、安倍総理の大きな懸念点
(写真提供/時事)
そして、「LGBT理解増進法」である。安倍総理は、現状で法律に「性自認」の文言が盛り込まれることに大きな懸念を示していた。「性自認」について拡大解釈が生まれないか、女性のスペースが守れるのか等が、しっかり整理できるのかという懸念である。
私も同様の考えであり、党内議論においては、性急な法整備に反対し、議論を徹底的に行うことを提起した。法案に懸念を表明した当事者団体や女性団体などからのヒアリングも求めた。しかし、法案の中身よりもG7前の国会提出ありきで強引に推し進められた。党内での反対がいまだ多いなかでのことであった。
LGBT法案を推進した保守系議員のなかには「法案は提出するだけで、審議はされないから大丈夫だ」などという人がいたが、そうならないことは明らかであったし、実際にそうなった。国会審議でも、国民から上がっていた疑問や懸念の声は払拭されず、私は最終的に法案には賛成できないと考え、参院本会議での法案採決で退席した。
防衛費増額での増税議論、LGBT法案での議論いずれにおいても、安倍総理がいらっしゃったら果たしてこうなっていただろうかという思いが強い。安倍総理にあれだけご指導いただいていたのに、この方は安倍総理がおっしゃっていたことと全く逆の方向の発言がよくできるなと思うこともあるが、安倍総理はもういらっしゃらないから、そう考えるのはある意味で後ろ向きでもある。
だからこそ、安倍総理に本当に近しくご指導いただいた身として、安倍総理の考えを体現していかなくてはならないと思う。安倍総理は、私が政治家として成長していくことを気にかけ、成長が見られると喜んでくださったと周囲の方々から聞いている。政治家として育ててくださった安倍総理の教えをもとに、真に国家国民のための政治を実現していきたい。
安倍総理の信念を常に胸に刻み行動していく。