NHK受信料や電気代を「自腹」で支払う自衛隊員の悲哀|小笠原理恵

NHK受信料や電気代を「自腹」で支払う自衛隊員の悲哀|小笠原理恵

自衛官候補生採用案内には「入隊後は宿舎での生活となります。居住費はかかりません」と書かれているが、果たして本当なのか。電気ポットや冷蔵庫の電気代だけではなく、テレビがないのにNHKの受信料も徴収されていた――。


テレビがないのにNHK受信料を支払う?

電気代以外にもNHK受信料も営内の隊員は自腹請求されている。自衛隊内では食堂や幹部の居室などにテレビが置いてある。許可をもらって自分専用のテレビを持つ隊員もいる。隊員個人が契約した分だけ支払えばよいとする誠実な拠点もあるだろうが、杜撰な拠点では営内で自衛隊が設置したテレビや個人所有分を合算して、隊員全員でその契約料を支払うという。

若い人たちはYouTubeや動画のストリーミングを利用し、テレビなどみない。ある自衛官はこう憤る。

「テレビを持ってないしテレビがあってもオレは見ない。なんで嫌いなNHK受信料を請求されなきゃならないのかわからない。支払いたくないと文句をいったら、逆切れされた」

テレビ受信契約の意思もなく、テレビをみる装置もないのに受信料を取られるのは苦痛だ。自衛隊では理不尽な命令に従わないといけないが、契約もしていないNHK受信料を隊員に負担させる理不尽に従わせる根拠はどこにあるのだろう。

考えてみてほしい。会社の食堂にテレビがあったとして、そのNHK受信料が社員に請求されたらどう思うだろうか。

隊員の自腹負担は装備品、NHK受信料、電気代と際限がない。こんな自衛隊員を搾取するやり方がなくならないうちは、自衛隊員に採用されて自衛隊に入隊した隊員もすぐに辞めてしまうだろう。一般社会にある最低限の福利厚生という概念。経費は会社持ちという常識を自衛隊が身につけるまで採用難は続くはずだ。

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