ムンヘバヤルが拘留されてから拘置所の中において書きためた文書が先月モンゴル国において出版された。タイトルは『拘留の足跡』。モンゴル国において大きな反響を呼んでいる。この書籍原稿がムンヘバヤルの家族と弁護士の手を経て南モンゴル人権情報センター(本部:ニューヨーク)に渡され、同センターの関係者によって邦訳が行われた。詩人でありジャーナリストであるムンヘバヤルの本領が遺憾無く発揮されているともいえる書籍だ。詩や書簡、風刺小説までが収録されている。
刑務所内でムンヘバヤルが私宛にサインした書籍が弁護士経由で届いた。「刑務所から送られてきた書籍」の重さに身の震える思いだ。
本稿では、最終章「これは私の選択だ」を紹介したい。幼少期より一貫した志を持ち続け、言われなき罪によって獄中に追い込まれてもなお「これは私の選択だ」と言い切るムンヘバヤルの決意の堅さに、心を打たれない者はいないだろう。獄中にあっても決して屈しないムンヘバヤルの魂の叫びを聞いてもらいたい。(小見出しは編集部で付した)
筆者のもとに届いたムンヘバヤル氏のサイン本。
ムンヘバヤル氏の直筆で「名前」「日付」「421刑務所にて」と書かれている。
「名前」「日付」「421刑務所にて」と書かれたムンヘバヤル氏のサイン。