自衛官の給料明細を公開! これっぽっちの給料で日本を守れるのか?|小笠原理恵

自衛官の給料明細を公開! これっぽっちの給料で日本を守れるのか?|小笠原理恵

10月4日午前、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射。日本上空を通過し、太平洋上に着弾した。日本がやるべきことはたくさんある。そのうちのひとつを国防ジャーナリストの小笠原理恵さんが緊急提言!自衛隊員の待遇改善なしにこの国の未来は守れない!


防衛白書によると、令和4年度の自衛隊員の定数は247,154人でそれに対しての現員は230,754人(3月31日時点で16,400人不足している)。

しかも、幹部自衛隊員や准尉、曹といった中堅から高級幹部は90%以上の充足率なのだが、士クラスの若い自衛隊員の充足率は79.8%。現場で実際に戦う若い自衛隊員が圧倒的に足らない。この自衛隊員不足は平成24年度から10年間ずっと続いている。

抜本的な改善策も打ち出さずにいた自衛隊は最前線で戦う戦闘員の現員数が致命的に足らないのだ。現員数を充足するために定年を伸ばし、高齢の自衛隊員を増やすことでカムフラージュしているが、実際に動ける若い戦闘員数は少ない。

少子高齢化の国だから、若い自衛隊員が不足する要因はある。だが、有事に隊員不足を敵が配慮するはずがない。デスクワークを主とした公務員組織なら高齢化の影響は少ないが、軍事組織である自衛隊は違う。日々の訓練による卓越した戦闘能力で困難な作戦を遂行できる体力と気力のある若い自衛隊員が必要だ。

ロシアの強制的な徴兵制は国内に混乱を招いた。徴兵によって集められた兵は戦闘能力も無く統率も取れていないため悲惨な結果となる。ロシアのような強制的な徴兵制は日本では許されない。日本は志願制に則り、多くの若い人が自衛隊に憧れ、誇り持って働ける魅力的な職場にすることを目指さねばならない。

自衛官の給与は魅力的とは言えない

自衛隊の任務は、台風、地震等で被災した地域への災害派遣、領土、領海、領空を守るための警戒活動と戦闘訓練と多岐にわたる。誰でも自衛隊員になれるわけではない。日々の訓練や集団生活、重い職責に耐えうる優秀な人材を選ぶため、身体検査を含めた入隊試験がある。

10年以上、自衛隊は必要な人材を確保できなかった。優秀な人材ほど自衛隊を含む公務員試験を嫌い、条件のいい外資系企業等に流出してしまう。

その原因のひとつが給料だ。平成30年に入隊した任期制自衛隊員(自衛官候補生)の入隊直後3か月の給料明細を見ていただきたい。初任給は総支給額150,725円 、次月133,500円、3か月目が120,150円と続く。

自衛隊員の給与はこの後、令和2年に月額8,600円引き上げられ、自衛官候補生では142,100円になり、一般曹候補生では9,300円引き上げられ、179,200円となった。

一般曹候補生の自衛隊員士長は自衛官候補生から3段階上の階級であり、少し給与水準は高い。その給料明細がこちらだ。

関連する投稿


日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

「自衛官は泣いている」と題して、「官舎もボロボロ」(23年2月号)、「ざんねんな自衛隊〝めし〟事情」(23年3月号)、「戦闘服もボロボロ」(23年4月号)……など月刊『Hanada』に寄稿し話題を呼んだが、今回は、自衛隊の待遇改善のお手本となるケースをレポートする。


「パンダ」はいらない!|和田政宗

「パンダ」はいらない!|和田政宗

中国は科学的根拠に基づかず宮城県産水産物の輸入禁止を続け、尖閣への領海侵入を繰り返し、ブイをEEZ内に設置するなど、覇権的行動を続けている。そんななか、公明党の山口那津男代表が、中国にパンダの貸与を求めた――。(写真提供/時事)


日米に対して、中国「ゼロ回答」の背景|和田政宗

日米に対して、中国「ゼロ回答」の背景|和田政宗

日中首脳会談が約1年ぶりに開催された。岸田総理は日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置されたブイの即時撤去等を求めたが、中国は「ゼロ回答」であった。聞く耳を持たない中国とどう向き合っていけばいいのか。(サムネイルは首相官邸HPより)


ミツカン「種馬事件」、再び、敗訴|西牟田靖

ミツカン「種馬事件」、再び、敗訴|西牟田靖

2013年、中埜大輔さんは、ミツカンの創業家出身のオーナー経営者である中埜和英会長の次女、聖子さんと結婚、翌年には男の子が誕生した。だが、彼の人生は義父母によって破壊された。生後4日目の子供を義父母の養子に差し出すよう強要されたのに始まり、別居の命令、離婚の強要、親子引き離し(実子誘拐)を目的とした日本への配転、告発報道の取材に応じたことを理由に即日解雇――。まるで中埜一族に「種馬」のように使われ、放り出されたのだ。


ラグビーW杯 フランス代表の「アレ!」|山口昌子

ラグビーW杯 フランス代表の「アレ!」|山口昌子

ラグビーワールドカップ2023フランス大会は、南アフリカの4度目の優勝で幕を閉じた。開催国フランスの初優勝はならなかったが、フランス国民は挙国一致でチームを応援。日本人とは異なる、フランス人の熱狂ぶりはいったいどこからくるのか。その歴史を紐解く。


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発・反核原理主義を大爆発!|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発・反核原理主義を大爆発!|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。今週は原発や核兵器をめぐって、反原発・反核原理主義を大爆発させておりました。


日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

日本防衛の要「宮古島駐屯地」の奇跡|小笠原理恵

「自衛官は泣いている」と題して、「官舎もボロボロ」(23年2月号)、「ざんねんな自衛隊〝めし〟事情」(23年3月号)、「戦闘服もボロボロ」(23年4月号)……など月刊『Hanada』に寄稿し話題を呼んだが、今回は、自衛隊の待遇改善のお手本となるケースをレポートする。


なべやかん遺産|エクシストコレクション

なべやかん遺産|エクシストコレクション

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「エクシストコレクション」!


川勝知事のヤバすぎる「不適切発言」が止まらない!|小林一哉

川勝知事のヤバすぎる「不適切発言」が止まらない!|小林一哉

議会にかけることもなく、「三島を拠点に東アジア文化都市の発展的継承センターのようなものを置きたい」と発言。まだ決まってもいない頭の中のアイデアを「詰めの段階」として、堂々と外部に話す川勝知事の「不適切発言」はこれだけではない!


【今週のサンモニ】田中優子氏「立ち止まれ」発言の無責任|藤原かずえ

【今週のサンモニ】田中優子氏「立ち止まれ」発言の無責任|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。外交交渉の具体的アイデアを全く示すことができないコメンテーターたち。