「ケツ舐め記者」と誹謗する金平茂紀の正体|山口敬之【WEB連載第17回】

「ケツ舐め記者」と誹謗する金平茂紀の正体|山口敬之【WEB連載第17回】

9月17日、金平茂紀氏はFacebookにこう投稿した。《この国にも「ケツ舐め記者」という連中が少なからず棲息していて、権力者、独裁者、ご主人様の局所を舐めて、その対価として「ご褒美」をもらって、それを得意げに広報し、「独自」「スクープ」とかのワッペンを自分で貼りつけて(中略)男性にも女性にも、もちろんいます、「ケツ舐め記者」は》。金平氏は、一体何様のつもりなのか。


怒りの感情をコントロールできない金平

下劣な比喩表現を敢えて言い換えるならば、「食い込む」という表現が近いように思う。そういう意味では、確かに岩田氏は安倍元総理やその周辺に「食い込んで」いた。

記者が政治家に食い込むと何がいけないというのか。
金平の文章はこう続く。
《その対価として「ご褒美」をもらって、それを得意げに広報し、「独自」「スクープ」とかのワッペンを自分で貼りつけて》

要するに、食い込んだ政治家から得た情報を「独自」「スクープ」などと言って報道することが気に入らないというのだ。

そして金平の駄文はこう続く。

《男性にも女性にも、もちろんいます『ケツ舐め記者』は》

「男性にも」の1人は明らかに私だろう。私はTBSの後輩記者から、金平が私のことをつい最近も「ケツ舐め記者」と罵倒していたという証言を得ている。 

金平は、TBS社内では怒りの感情をコントロールできないことで有名だ。気に入らないことがあると、自分の上司でも部下でも、時間と場所を選ばず大声で罵倒し、激昂する金平を私も何度も見た。

だから今回も私への怒りが制御できずに、愚劣な表現で私を誹謗中傷しようと思ったのだろう。卑劣で哀れな人物だ。そして、金平の幼稚な怒りの末の卑猥な侮蔑が女性である岩田氏にまで及んだとしたら、それは大変申し訳ないことだ。

かくいう私は、これまで何度も金平から愚にもつかない品性下劣な誹謗中傷を浴びせられているから慣れっこになっている。

しかし、今回は金平の文章を読んで、別の意味で非常に驚いた。

それは、金平茂紀こそ、部下が政治家に食い込んでとった情報に「独自」「スクープ」というワッペンをつけて報道させていた張本人だったからだ。

私を8回にわたって表彰した金平

金平は2005年5月から3年ほどTBS報道局長を務めた。この間、金平は私を8回にわたって表彰している。そうした社長賞を除く7枚の表彰状は全て、「報道局長・金平茂紀」と記名、捺印されている。

例えば「官房長官に安倍晋三氏起用のスクープ」と題した2005年11月の表彰では、金平はこんなことを書いている。

「あなたは、自民党幹部に食い込んで取材を敢行し、新内閣の要である官房長官に安倍氏を起用することをつかみ、速報しました。マスコミ他社を圧倒するスクープで、TBSの取材力を大いに知らしめました」

関連する投稿


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

衆院選が終わった。自民党は過半数を割る大敗で191議席となった。公明党も24議席となり連立与党でも215議席、与党系無所属議員を加えても221議席で、過半数の233議席に12議席も及ばなかった――。


衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

「石破首相は総裁選やこれまで言ってきたことを翻した」と批判する声もあるなか、本日9日に衆院が解散された。自民党は総選挙で何を訴えるべきなのか。「アベノミクス」の完成こそが経済発展への正しい道である――。


石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

9月27日、自民党新総裁に石破茂元幹事長が選出された。決選投票で高市早苗氏はなぜ逆転されたのか。小泉進次郎氏はなぜ党員票で「惨敗」したのか。石破新総裁〝誕生〟の舞台裏から、今後の展望までを記す。


青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

8月23日、青山繁晴さんは総裁選に向けた記者会見を行った。最初に立候補を表明した小林鷹之さんに次ぐ2番目の表明だったが、想定外のことが起きた。NHKなど主要メディアのいくつかが、立候補表明者として青山さんを扱わなかったのである――。(サムネイルは「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」より)


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。