そして、裁判費用を捻出するためのカンパまで募っているという。
大石氏を含む国会議員には、約2180万円の給料(歳費)に加えて、月100万円年間1200万円の文書通信交通滞在費、65万円の立法事務費、年間約635万円の賞与やJR、航空券の無料クーポン券が与えられている。
公設秘書の給与を含めると、国会議員一人当たり、月約573万円、年約7500万円のコストが国民の税金から支払われている。
大石氏がTwitterに書き殴った根拠なき誹謗中傷に私が対抗する手段は訴訟提起しかない。訴訟はどんなものであれ精神的にもコスト的にも普通の人間には非常に厳しい。それなのに大石氏は私の一部訴訟を「スラップ訴訟」と誹謗した。
スラップとは、社会的強者が、社会的弱者に対して、言論の封圧や威嚇を目的として行われるもので、「恫喝訴訟」とも呼ばれる。
大石氏ら国庫から約7500万円の直接的サポートを受けている国会議員で、所属する「れいわ」は国庫から4億1300万円の政党助成金を得る。
いかなる組織にも所属せず細々と記者業を営んでいる私と、国政政党の国会議員として国庫と支援者から強力なサポートを得ている大石氏のどちらが社会的強者かは、言うまでもないだろう。
9月20日には大石氏との裁判の第一回法廷が開かれる。特に裁判所から求められているわけでもないのに、大石氏は出廷して記者対応もする予定だという。
私という民間人を無根拠に罵倒し、やむなく私が起こした訴訟までマスコミやYouTubeを使って集金・売名活動に使う大石氏。
その出自と政党遍歴が示す通り、「自己の利益と目的実現の為には手段を選ばない」という意味において、革命家やテロリストとの深い親和性を感じるのは私だけだろうか。
著者略歴
1966年、東京生まれ。フリージャーナリスト・アメリカシンクタンク客員研究員。90年、慶應義塾大学経済学部卒、TBS入社。以来、25年間、報道局に所属する。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、ロンドン支局、社会部を経て2000年から政治部。13年からワシントン支局長を務める。16年5月、TBSを退社。著書に『総理』(幻冬舎)など。