れいわ・大石あきこ議員と極左暴力集団|山口敬之【WEB連載第16回】

れいわ・大石あきこ議員と極左暴力集団|山口敬之【WEB連載第16回】

7月26日、大石あきこ氏を名誉棄損で提訴した。派手な宣伝や告知はせず粛々と手続きを進めてきたが、大石氏は私の訴状を受け取るや否や、YouTube動画をアップロード。裁判費用を捻出するためのカンパまで募っているという――。「大石あきこ」とは一体どういう政治家なのか。


連帯ユニオンは、辻元清美氏や福島瑞穂氏など社民党系の議員と関係の深い「関西生コン」をルーツとする攻撃的労組だ。大石氏が参加した連帯ユニオンの集会には「関西生コンのドン」と呼ばれた武健一氏も出席している。
 
関西生コンは正式名称を「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」で、生コンクリートの調達を巡り、工事を妨害したとしてこれまでに延べ89人が逮捕されている。 このうちの一部被告については、9月13日の論告求刑で検察は最高で懲役8年を求刑したばかりだ。

そして、連帯ユニオンは中核派や革マル派など、過去に多くの殺人事件やテロ事件を起こしてきた極左暴力集団との深い関係が指摘されている。

例えば中核派は2017年11月27日発行の機関紙『前進』(2897号)の中で、「関西生コンの闘いに学ぶ」と題して、関西生コンの犯罪行為を称揚し見本とすべきと主張。それぞれの集会に互いの幹部が出席して革命のための暴力を厭わない姿勢を共有している。

統一教会は絶対ダメで極左暴力集団はOKなのか

れいわ代表の山本太郎氏は、統一教会問題について以下のような見解を発表している。

「ここ(旧統一教会)と距離を置かない政治なんてあり得ない。これだけの多くの被害者を生み出して、この国に生きる人々からしぼりとったおカネ、かすめとったおカネ、だまして奪い取ったおカネというものを、韓国側にも流されているわけですよね。こういうことはあり得ない」

「反社会的勢力と手をつなぎながら政治に関わり続けることはありえず、そういう人たちには退場してもらうしかない」

中核派や革マル派はかつて数々の内ゲバ殺人事件を起こしたばかりでなく、資本主義社会を殺人などのテロ行為によって転覆することを目標としている極左暴力集団である。

令和2年の警察白書では、中核派と革マル派は合わせて10,200人の組織活動家がいて、爆破や殺戮、盗聴などテロや犯罪行為を行う非公然組織を持っていると明記している。

そして「関西生コン」は威力業務妨害や恐喝などで延べ89人もの逮捕者を出していて、彼らのターゲットとなった民間企業や関係者に数多くの被害者が出ている。

自民党の議員は、統一教会本体のみならず、関係があったとされる団体でスピーチをしたり電報を送ったりしだけで激しく批判され、「距離が近い」「ズブズブ」などと攻撃されている。

れいわ代表である山本太郎氏が「多くの被害者を生み出した統一教会と距離を置かない政治はあり得ない」と主張するなら、自党の政策審議会長を務める大石氏が、中核派など極左暴力集団や89名もの逮捕者を出した関西生コンと関係の深い団体で演説したことについても、きちんと説明する義務がある。そして、大石氏自身も、国政政党の幹部として説明責任は免れない。

関連する投稿


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

戦後80年にあたり、自虐史観に基づいた“日本は加害者である”との番組や報道が各メディアでは繰り広げられている。東京裁判や“南京大虐殺”肯定派は、おびただしい数の南京市民が日本軍に虐殺されたと言う。しかし、南京戦において日本軍は意図的に住民を殺害したとの記述は公文書に存在しない――。


旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

旧安倍派の元議員が語る、イランがホルムズ海峡を封鎖できない理由|小笠原理恵

イランとイスラエルは停戦合意をしたが、ホルムズ海峡封鎖という「最悪のシナリオ」は今後も残り続けるのだろうか。元衆議院議員の長尾たかし氏は次のような見解を示している。「イランはホルムズ海峡の封鎖ができない」。なぜなのか。


「ある意味、地獄が待ってます」退職自衛官を苦しめる若年給付金の返納ルール|小笠原理恵

「ある意味、地獄が待ってます」退職自衛官を苦しめる若年給付金の返納ルール|小笠原理恵

ある駐屯地で合言葉のように使われている言葉があるという。「また小笠原理恵に書かれるぞ!」。「書くな!」と恫喝されても、「自衛隊の悪口を言っている」などと誹謗中傷されても、私は、自衛隊の処遇改善を訴え続ける!


日本国は宗教に冷淡|上野景文(文明論考家)

日本国は宗教に冷淡|上野景文(文明論考家)

統一教会への解散命令で、政教分離のあり方に注目が集まっている。 日本の政教分離は、世界から見てどうなのか――。


最新の投稿


異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『異形の権力、石破政権の最期|青山繁晴【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

「住む場所も収入も失った。自殺するしかない」 成年後見制度の報じられない地獄|長谷川学

成年後見制度の実態が国民にほとんど知らされていないのはなぜなのか? 制度を利用したばかりに民主主義国家にあるまじき凄まじい人権侵害を受け、苦しんでいる人が大勢いる。法制審議会は成年後見制度の見直しに向けた議論を行っており、今年6月10日に見直しに関する中間試案を公表したが――。


【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『【常識保守のすすめ】〝安倍依存症〟から脱却するために|片山さつき×小川榮太郎【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。