【橋下徹研究⑥】音喜多議員に告ぐ――無理な擁護は怪我のもと|山口敬之【永田町インサイド WEB第6回】

【橋下徹研究⑥】音喜多議員に告ぐ――無理な擁護は怪我のもと|山口敬之【永田町インサイド WEB第6回】

なぜ、音喜多参議院議員は本来「入札」と訳すべき単語を「提供」と改竄したのか。音喜多氏が上海電力の日本語サイトと中国語サイトの矛盾を知った上で無理な擁護をするために「提供」と意訳したのであれば、音喜多氏は橋下徹氏のみならず上海電力まで擁護したことになる――。


「招标」には「提供」という意味はない。ところが、音喜多氏は「招标」を「提供」と、Google翻訳が表示したと主張している。

念のため当該文をGoogle翻訳にかけても、提供ではなく入札と出た。

なぜ、音喜多氏は本来「入札」と訳すべき単語を「提供」と改竄したのか。

それはもちろん、私がかねて指摘しているように、上海電力は入札には参加しておらず、中国語サイトの表示が虚偽記載だからだ。

上海電力は中国語サイトでは参加してもいない入札によって咲洲メガソーラーに参加したかのようなあからさまなウソを書く一方で、日本語サイトでは正直に「大阪市に招致された」と書いていたのだ。

音喜多氏が上海電力の日本語サイトと中国語サイトの矛盾を知った上で無理な擁護をするために「提供」と意訳したのであれば、音喜多氏は橋下氏のみならず上海電力まで擁護したことになる。

一体、音喜多氏と橋下氏はどういう関係なのだろうか。そして音喜多氏と上海電力はどういう関係なのだろうか。

いずれにしても、音喜多氏はウソの上にウソを塗り固めて、その上で私の取材結果を陰謀論呼ばわりしたのであって、全く看過できない。謝罪と訂正を要求する。

トンチンカンな主張で露呈した2つの闇

音喜多氏の主張は、全く筋が通らないだけでなく、2つの重大な疑惑を顕在化させた。

音喜多氏が「上海電力は大阪市に招致されていない」「招致という表記は入札の誤り」だと主張するのであれば、動画を撮る前に上海電力側に抗議して日本語表記を「招致」でなく「入札」と訂正するようを求めるのが筋だろう。

なぜ上海電力の誤記を正しく書き直させるというアクションを取らないまま、上海電力の日本語表記の誤りを擁護するような動画を撮影して公表したのか。音喜多氏は上海電力に何か弱みでも握られているのだろうか。

もうひとつの闇は、国政政党「日本維新の会」と橋下氏の関係である。

橋下氏は3月末まで維新の法律顧問を有償で務めていたが、4月以降は「無関係」という立場を橋下氏も維新側も表明している。

しかし、音喜多氏の動画を見る限り、橋下氏を擁護する意図は明白だ。例えばこんな部分だ。

関連する投稿


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

我が党はなぜ大敗したのか|和田政宗

衆院選が終わった。自民党は過半数を割る大敗で191議席となった。公明党も24議席となり連立与党でも215議席、与党系無所属議員を加えても221議席で、過半数の233議席に12議席も及ばなかった――。


衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

衆院解散、総選挙での鍵は「アベノミクス」の継承|和田政宗

「石破首相は総裁選やこれまで言ってきたことを翻した」と批判する声もあるなか、本日9日に衆院が解散された。自民党は総選挙で何を訴えるべきなのか。「アベノミクス」の完成こそが経済発展への正しい道である――。


石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

石破新総裁がなぜ党員票で強かったのか|和田政宗

9月27日、自民党新総裁に石破茂元幹事長が選出された。決選投票で高市早苗氏はなぜ逆転されたのか。小泉進次郎氏はなぜ党員票で「惨敗」したのか。石破新総裁〝誕生〟の舞台裏から、今後の展望までを記す。


青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

青山繁晴さんの推薦人確保、あと「もう一息」だった|和田政宗

8月23日、青山繁晴さんは総裁選に向けた記者会見を行った。最初に立候補を表明した小林鷹之さんに次ぐ2番目の表明だったが、想定外のことが起きた。NHKなど主要メディアのいくつかが、立候補表明者として青山さんを扱わなかったのである――。(サムネイルは「青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会」より)


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。