【橋下徹研究⑥】音喜多議員に告ぐ――無理な擁護は怪我のもと|山口敬之【永田町インサイド WEB第6回】

【橋下徹研究⑥】音喜多議員に告ぐ――無理な擁護は怪我のもと|山口敬之【永田町インサイド WEB第6回】

なぜ、音喜多参議院議員は本来「入札」と訳すべき単語を「提供」と改竄したのか。音喜多氏が上海電力の日本語サイトと中国語サイトの矛盾を知った上で無理な擁護をするために「提供」と意訳したのであれば、音喜多氏は橋下徹氏のみならず上海電力まで擁護したことになる――。


上海電力をはじめとした外国企業が、重要なインフラ産業・事業に参入しているのは大阪だけでなく全国で起こっていることは多くの人が認めていることであります。もし、これを防ぎたい。外国企業が入ってくるのは問題だというのであれば、大元の国の法律、制度設計に問題があるわけですから、自治体として出来ることは限られている。

ちょっと待って欲しい。音喜多氏は日本維新の会所属の国会議員だ。

2019年7月から国会議員をやっている音喜多氏は、上海電力が日本全国で次々と大規模メガソーラー事業に参入している事態に対して、3年間何をしていたのだろうか。

言うにこと欠いて「外国企業が入ってくるのは問題だというのであれば、大元の国の法律、制度設計に問題があるわけですから、自治体として出来ることは限られている」というコメントが、国会議員の口から飛び出してくるとは、呆れてものも言えない。

音喜多氏は、国会議員として日本のインフラを守る意思も行動力もないことを自ら明らかにしたのだ。

音喜多氏の国会議員としての本性についてはよくわかった。

問題は、他の日本維新の会所属の国会議員だ。橋下氏を擁護するあまり「問題は自治体レベルでなく国政」と言いながら何のアクションも取らないのであれば、その政治家と政党は上海電力の日本での事業拡大を是とし、日本のインフラの安全を確保する意思のない集団だと自ら明らかにしていることになる。

私は、橋下氏が上海電力を参入させた経緯について、数多くの情報を持っている。そして上海電力は大阪市の招致なしには咲洲メガソーラーに参入することは不可能だったことも把握している。この詳細は、近々順次公開する。

今後、橋下徹氏を擁護しようと考える国会議員や有識者は、その行動がどういう結果を招くか、よく考えてから行動することをお勧めする。
(つづく)

月刊『Hanada』2022年6月号

総理

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