新薬の未来を潰した、河野太郎の傲慢政治|小笠原理恵

新薬の未来を潰した、河野太郎の傲慢政治|小笠原理恵

「科学技術振興予算は今後、増えません」と断言し、画期的なオプジーボを叩いた河野太郎氏が、2021年1月にワクチン担当大臣となったことは悪い冗談のように思えた。一方で、「創薬力の強化は喫緊の課題であり、医薬品の研究開発費への大規模投資がいまこそ必要」と訴える政治家もいる。高市早苗政調会長である。国を守るとはどういうことか。日本の課題を徹底検証!


「創薬力の強化」を訴える高市政調会長

(写真提供/時事)

経済安全保障の観点からも、創薬力の強化は必須である。だが、その重要性に気付いている政治家は少ない。自民党総裁選で創薬の重要性に言及したのは、高市早苗氏だけだ。

高市氏は筆者の取材に対して、次のように述べている。

「国内のワクチン接種は、菅政権が驚異的なスピードで推進した結果、いまや接種率で米国を追い抜き、7割近くの国民が接種を完了するに至りました。

しかし、当初の出遅れは外国産のワクチンに頼らざるを得ない状況から生じたものであり、十分な供給量が確保できるのかという大きな不安が国民の間に広がったことは記憶に新しい。

日本の創薬パフォーマンスが低い要因のひとつは、薬価制度の抜本的な改革により、製薬企業の『稼ぐ力』が減少し、革新的な薬剤に対して『見返り』が少ないこと。創薬力の強化は喫緊の課題であり、医薬品の研究開発費への大規模投資がいまこそ必要です。

寝食を忘れ、実質5日間で政権公約を作成しましたが、私が特にこだわったのは『常に最悪の事態を想定した危機管理』と『どのような事態になっても、必要な物資を国内で調達できる体制の確立』。

国民の命と健康を、必ずや守り抜く。そして、どのような事態に対しても強靱な国家を創造する。国政に携わる者として当然の、しかし崇高な使命を果たすべく、今後、創薬力の強化に向け、党を挙げた取組を行っていく決意です」

前述したが、河野太郎氏は「科学技術振興予算は今後、増えません」と断言した。また、自身が担ったワクチン行政に対しても、「自分で言うのもなんですけど、言っちゃいますけど、やはり河野太郎でなかったらここまで来なかっただろうと正直、思っています」とフジテレビの番組で自画自賛。
「河野太郎には国家観がない」 「傲慢だ」と言われる所以はこういうところではないだろうか。 

高市早苗氏が強く訴える「創薬力の強化」は、現在の厚労省の「不作為」、財務省の「緊縮財政」の意識をどこまで変えてくれるのだろう。

著者略歴

小笠原理恵

https://hanada-plus.jp/articles/961

国防ジャーナリスト。関西外国語大学卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。 2009年、政治や時事問題を解説するブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。14年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。月刊『Hanada』、月刊『正論』、夕刊フジ、日刊SPA!などに寄稿。19年刊行の著書『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)は国会でも話題に。

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