アフガンの鉱物資源を狙う中国|奈良林直

アフガンの鉱物資源を狙う中国|奈良林直

バイデン政権はアフガニスタンからの撤退を正当化する理由として、戦略的に重要な中国との抗争に米軍の資源を集中できると説明してきた。拙速な米軍撤退が逆に中国を利する結果を招くとすれば、これ以上の皮肉はない。


新疆ウイグル自治区のカシュガルからパキスタン南西部のグワダル港までを結ぶ「中国・パキスタン経済回廊」の建設は一帯一路の一大プロジェクトだ。アフガニスタンの安定は、パキスタンや中央アジアの一帯一路プロジェクトをイスラム過激派の攻撃から守り、一帯一路を推進することにもつながる。中国の深謀遠慮はバイデン政権より上だ。

バイデン政権はアフガニスタンからの撤退を正当化する理由として、戦略的に重要な中国との抗争に米軍の資源を集中できると説明してきた。拙速な米軍撤退が逆に中国を利する結果を招くとすれば、これ以上の皮肉はない。(2021.08.23国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)

奈良林直

https://hanada-plus.jp/articles/403

国基研理事、東京工業大特任教授。1952年、東京都生まれ。東京工業大理工学研究科原子核工学修士課程修了。専門は原子炉工学。東芝に入社し原子力の安全性に関する研究に従事。同社電力・産業システム技術開発センター主幹などを務め、2007年に北海道大大学院教授に就任。同大大学院名誉教授・特任教授を経て現職。

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