ベルリン慰安婦像でも敗北 河野談話の破壊力|山岡鉄秀

ベルリン慰安婦像でも敗北 河野談話の破壊力|山岡鉄秀

日本外交はなぜ完敗したのか。日本政府の抗議を受けてベルリン市ミッテ区長は「すぐに撤去させる」という方針だったのだが、コリア協議会の圧力に屈し轟沈した。ナチス・ドイツへの反動、声を上げられない日系住民の苦悩、ドイツにいる“反日左翼活動家”、そこには様々な要素が絡み合っているのだが、またもや浮かび上がったのは河野談話の亡霊だった――。


ドイツにいる“反日左翼活動家”

一方、ドイツには反日左翼活動家のような日本人が多く在住している。慰安婦像の除幕式で歓迎のスピーチをした日本人がふたりもいた。これは早速議会で、「像に賛成する日本人もいる」と利用された。
 
しかし、どんな日本人が賛成しているかが問題だ。驚くべきことに、ベルリンには1986年に極左活動家で知られる故小田実氏が設立した「独日平和フォーラム」という団体が未だに存在している。

彼らは韓国反日団体を支援し、コリア協議会のホームページに協力団体としてリストされている。独日平和フォーラムは欧州における反日活動の拠点となり、反日韓国人学者が主導する反靖國活動を支援している。
 
他にも、独日平和フォーラムの共同設立者で「いまになって、従軍慰安婦を否定するような言論を日本政府が発すると、世界に対する日本の信用が没落する。あり得ない」と発言した『週刊金曜日』の執筆者である梶村太一郎氏の奥方が、慰安婦問題担当を務める「ベルリン女の会」という団体もある。
 
この団体は、ブランデンブルク門のような代表的な観光地でわざわざ日本を非難する横断幕を掲げて集会を開いたりしている。どんな思想を持とうと自由だが、はっきり言って恥ずかしい。
 
海外には学生運動崩れのような左翼活動家系の日本人が移住しているケースがままあり、その傾向は北米で顕著だが、欧州ではドイツが際立っている。現地で常軌を逸した反日発言を繰り返すドイツ人を調べてみると、これらの団体のメンバーで、左翼日本人の反日思想をそっくり受けついでいたりする。
 
そのようなドイツ人の発信があまりにも酷いので反論してほしいとの要望が現地邦人からあったので、それらの発信を熟読したうえで、反論文になるような意見書を改めて書いてフォン・ダッセル区長に送った。
 
今回は私がアドバイザーを務める松田政策研究所の松田学代表との連名とし、国会議員からの推薦文をカバーレターとして付けた。山田賢司議員、三谷英弘議員、小熊慎司議員、松川るい議員、池田佳隆議員、長尾敬議員、小野田紀美議員、日独議連に属する7人の国会議員が連名してくれた。

興味のある方はこちらのサイトから参照していただきたい。
https://matsuda-pi.com/report/2020_02.html

英語サイトで村山談話や河野談話を肯定?

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