川口市はどんな回答をしたのか
不良外国人による暴走行為や暴力的行為、ゴミの不法投棄やたむろといった迷惑行為がここ数年続発している。そうした問題に対し、川口市役所や警察は対応し切れていない印象を受ける。
この問題について孤軍奮闘で警鐘をならしているのは奥富精一議員である。その彼が6月19日、川口市議会の定例会で「外国人による犯罪・迷惑行為」に関して質問するというので議会を傍聴してみた。
傍聴前に気になっていたのは、「多文化共生の推進」を推進してきた奥ノ木信夫市長の方針と外国人による不法行為に対し警鐘を鳴らす奥富氏の主張が、はたしてかみ合うのかということだ。
というのも奥ノ木市政は、これまで外国人住民の住みやすさに考慮した政策を打ち出す一方、彼らの迷惑・犯罪行為に対して、有効な対策を打ち出してこなかったという印象が強いからだ。
それにこの手の質問は、排外主義やレイシストとして、とかく世の中から非難を浴びやすい難しい問題でもある。それゆえに、非難を恐れた市側が問題の存在自体を認めない可能性も考えられるのだ。
はたして、川口市はどんな回答をしたのか。問題の存在そのものを認めなかったのか。それとも真摯に認め、「解決のために善処する」と約束したのか。
《6月19日午後の川口市議会。その定例会の模様》
仮放免者の就労は禁止なのだが……
一部のトルコ系住民の不法行為の実態とその対処という最も重要なポイントについて尋ねる前に、奥富氏はトルコ系住民の居住実態について質問した。
市側は答えた。「仮放免者全体の居住実態の把握には至っていない状況」だと。
というのも、東京出入国在留管理局が把握している仮放免者の個人情報は、本人の希望によって市への情報提供をとめることができるからだ。約1300人といわれる、トルコ系住民の人口はあくまで、在留資格があり住民登録されている人口、つまりカウントされていないトルコ系住民がかなりいて、その数は不明だということだ。
次の質問は、黙認されている仮放免者の労働、そして、その対価である報酬に課されるはずの税金についてだ。市は回答する。
「仮放免者は、『出入国管理法及び難民認定法』において、就労が禁止されていることもあり、事業主や本人からの課税資料の提出がないことが多く、課税することができていない状況です」
本来、働いてはいけなのに働いている。その上、市民税を払っていないとすれば脱税にあたることになる。こうした状況に対し、市はなにか対策を打つつもりはあるのだろうか。
「所得税法、地方税法において、源泉徴収票や給与支払報告書を故意に提出しなかった場合、1年以下の懲役又は、50万円以下の罰金に処するという規定があります。国は強力な調査権を持ち、不法や違法な行為に対し、厳格な対応を行うことが可能でありますことから、市としても、国税・県税・市町村税の三税協力のもと、緊密な連携を取り、対処して参ります」
仮放免者やその雇い主から税金をとるために、川口市は厳格な態度を約束した。
トルコ系住民の主産業である解体関連やレストラン関連の企業のなかには適切に税金を払っていない会社があるはずだ。そうした会社は税に関する調査によって、脱税が発覚するだろう。これを機会に、耳を揃えてしっかり払うべきだ。逃げたり、誤魔化したりする会社があれば、見つけ出し、社会的な制裁を課すべきである。