傲岸不遜、厚顔無恥な暴言を繰り返す中国要人たち|潮匡人

傲岸不遜、厚顔無恥な暴言を繰り返す中国要人たち|潮匡人

11月24日、中国の王毅国務委員兼外交部長が茂木外相と会談、その後の記者会見での発言は、盗っ人猛々しいことこの上ない発言だった。振り返ってみれば、王毅外相に限らず、報道官たちがこれまでも無礼千万な暴言を繰り返していた。何故日本は反論しないのか!?


中国は何一つ悪くない

米国のサイバーセキュリティー・センターのウィリアム・エバニナ所長がロシア、中国、イランなどが2020年の大統領選挙に関与しようとしていると声明を発表した時には、「中国は関与したことはないし、興味もない」 「米国内の一部の者は中国を米国内の政治的手口に引き込むことを直ちにやめるべきだ」と表明。

あくまで、米国が中国の内政に干渉し、中国の利益を損なっているのが先で、中国の正当で必要な反応が後だという。

しかし、台湾問題には敏感に口をはさむ。米国のアザー厚生長官が台湾を訪問した際には、「中国の核心的利益にかかわる問題において幻想を抱くべきではない。火遊びをすれば必ず大やけどする」と非難。台湾当局に対しても、「新型コロナウイルスを理由に、台湾独立をたくらむのは行き止まりへの道だ」などと牽制するのを忘れない。

舌鋒は、もちろん日本にも向けられている。

日本が防衛白書で、尖閣諸島周辺で中国側が一方的な現状変更の試みを執拗に継続していると指摘すると、「偏見と虚偽情報に満ち、中国の脅威を煽り立てており、でっちあげの資料だ」と反発し、日本側に「厳正な申し入れ」を行ったという。

そして現在の防衛問題を論じているにもかかわらず、「今年は中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利75周年だ。日本は歴史を鑑とし、対立を激化させるのをやめるべきだ」と、歴史認識問題カード・を持ち出して責め立てた。

菅首相が靖國神社に真榊を奉納し、少数の国会議員が同神社を参拝したことについても、

「靖國神社は日本軍国主義が対外侵略戦争を発動した精神的な道具および象徴であり、あの侵略戦争に重大な罪責を負うA級戦犯14人が合祀されている。日本の消極的行動は、侵略の歴史に対する誤った姿勢を改めて示すものだ。

日本が侵略の歴史を直視・反省するとの姿勢表明と約束を適切に順守し、実際の行動によってアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう促す」

と、これまで信頼を得るような行動を何一つしていない自国を顧みずに発言。それもそのはずで、天安門事件から31年を迎えた際の会見で、

「中国の建国70年あまりの業績をみれば、中国が選択した発展の道が完全に正しく、中国の国情にもあっていたことがわかる。われわれは引き続き、中国の特色ある社会主義の道を断固、進んでいく」

と当時の対応、そしていまの中国の状況を改めて正当化。結局のところ、今も昔も「中国は何一つ悪いことはしていない」という態度で一貫している。

「裸の王様」はどっちだ

関連する投稿


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

トランプ前大統領の〝盟友〟、安倍晋三元総理大臣はもういない。「トランプ大統領復帰」で日本は、東アジアは、ウクライナは、中東は、どうなるのか?


【スクープ!】自衛隊と神戸市が交わした驚きの文書を発見! 自衛隊を縛る「昭和の亡霊」とは……|小笠原理恵

【スクープ!】自衛隊と神戸市が交わした驚きの文書を発見! 自衛隊を縛る「昭和の亡霊」とは……|小笠原理恵

阪神地区で唯一の海上自衛隊の拠点、阪神基地隊。神戸市や阪神沿岸部を守る拠点であり、ミサイル防衛の観点からもなくてはならない基地である。しかし、この阪神基地隊の存在意義を覆すような驚くべき文書が神戸市で見つかった――。


速やかなる憲法改正が必要だ!|和田政宗

速やかなる憲法改正が必要だ!|和田政宗

戦後の日本は現行憲法のおかしな部分を修正せず、憲法解釈を積み重ねて合憲化していくという手法を使ってきた。しかし、これも限界に来ている――。憲法の不備を整え、わが国と国民を憲法によって守らなくてはならない。(サムネイルは首相官邸HPより)


台湾総統選 頼清徳氏の勝利と序章でしかない中国の世論工作|和田政宗

台湾総統選 頼清徳氏の勝利と序章でしかない中国の世論工作|和田政宗

中国は民進党政権を継続させないよう様々な世論工作活動を行った。結果は頼清徳氏の勝利、中国の世論工作は逆効果であったと言える。しかし、中国は今回の工作結果を分析し、必ず次に繋げてくる――。


最新の投稿


【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

昨今の政治状況が多くの日本人の心に危機感を抱かせ、「保守」の気持ちが高まっている。いま行動しなければ日本は失われた50年になってしまう。日本を豊かに、強くするため――縁の下の力持ち、日本保守党事務局次長、広沢一郎氏がはじめて綴った秘話に投票3日前の想いを緊急加筆。