共産党は防衛省・自衛隊については「段階的解消」を目標としており、共産党と共闘する平和委員会は自衛隊の訓練や活動を「監視・調査」しています。国政に議席を持つ政党とその関連する団体が、国軍の解散や弱体化に向けて蠢いているという国は、一体他にあるのでしょうか。
河野大臣は今後について、東京だけではなく、地方でもブルーインパルスの飛行も検討する考えを明らかにしました。野党はブルーインパルスの政治利用だと批判し、各地の平和委員会からブルーインパルスの全国展開に反対する活動が出てくると推測します。
この点について、私は空自出身の議員として、声を大にして伝えたいことがあります。
一つ目に、防衛省・自衛隊は萎縮する必要はありません。圧倒的大多数の国民は、ブルーインパルスの感謝と敬意の展示飛行を支持しています。
二つ目に、読者の皆様へのお願いです。私たちが言論で自衛隊の楯になる時が来ています。
わが国が危機に瀕した場合、最後の砦として行動するのが自衛隊です。陸海空自衛官は服務の宣誓において、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえること」を誓います。同時に、自衛隊法及び自衛隊法施行令では、厳しく「政治的行為の制限」があります。
しかし、防衛政策や防衛予算は国会で審議され議決されます。どうしても、自衛隊と政治は切り離せません。
今回のブルーインパルスの件だけではなく、左派野党は国会の質疑において防衛政策や安全保障問題で政権批判を行うことはたびたびあります。その内容は防衛省・自衛隊を強化するためではなく、弱体化にがるものばかりでした。
それに対して、現職自衛官は公開の場で反論することはできません。
だからこそ、国民一人ひとりが防衛省・自衛隊の楯になる必要があります。特に自衛隊OB・OGの皆さん、いまこそ現職自衛官のために、もっと大きな声を上げていきましょう。我々、自衛官出身の地方議員はその先頭に立って活動していきます。
ブルーインパルスによる医療従事者に対する感謝と敬意の展示飛行が多くの国民に支持され、全国で展開されることを強く願います。(初出:月刊『Hanada』2020年9月号)
著者略歴
福島県議会議員。1985年、福島県須賀川市生まれ。高校卒業後、航空自衛隊に入隊。2012年、航空自衛隊退官後、経済評論家秘書、国会議員秘書、福島県議会議員秘書を経て、2015年8月、須賀川市議会議員に初当選。2019年、福島県議会議員選挙で初当選。