これには余程、腹が立ったのであろう。日系米国人の簑原俊洋神戸大学大学院教授が7月2日付の産経で、「対立する米中の間を取り持つ役割を日本が果たすべきだ、とのんきなことを平然という人たちがいる。……安全保障を自前で担保できない国家の外交力の限界についてはこの欄ですでに論じたが、それ以前に北朝鮮に拉致された日本人をいまだに取り戻せず、中国によって不当に逮捕・監禁された邦人さえも解放できない国家に何ができるというのか」と書いている。トランプ、ボルトン両氏も同じ気持ちではないか。
米軍は漸次撤兵するとの前提で防衛政策を練り直さないと、どこからも相手にされなくなる。(2020.07.13 国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
著者略歴
国家基本問題研究所副理事長。1933年千葉県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、時事通信社に入社。ハンブルグ特派員、那覇支局長、ワシントン支局長、外信部長などを務める。1992年から杏林大学で教鞭を執る。法学博士。杏林大学名誉教授。専門は国際政治。国家基本問題研究所副理事長。美しい日本の憲法をつくる国民の会共同代表。著書に『戦略家ニクソン』『激流世界を生きて』『憲法改正、最後のチャンスを逃すな!』など多数。