呆れた無反省ぶり
直接の被害といえるのは、平野氏の居住地域である千葉県柏市やその隣の我孫子市で、公費によるナノ銀除染の実験が行われている。
ナノ銀の除染効果を信じた少なくない企業家がナノ銀の特許申請の費用や実験費用、機材を阿部氏に提供していることもわかっている。 「ジャパンライフ」ほどの被害ではないにしろ、ナノ銀でも確実に被害が広がっているのである。
平野氏はいまだに反省していない。私は2018年5月に「ナノ銀除染の間違いを認めてほしい」という主旨で平野氏に手紙を書いたが、平野氏からの自筆の返書には「これからプルトニュームの処理にしても、廃炉にしても、ナノ技術の活用が大事になると思います。以上のことから、私は、日本でもナノ銀だけではなく、ナノ技術によるさまざまな物質の活用で原発問題を解決する時期になってくると思っています」と書かれており、その無反省ぶりに暗然とした。
公的機関と税金を私物化、政治家の資格ナシ
「桜を見る会」の問題では、安倍首相を「税金の私物化」などと非難している森氏だが、自身も文科副大臣の地位を利用し、「小沢一郎復権」や反原発で選挙を有利にしようという個人的な目的のためにJAEAという公的機関と税金を私物化して、必要のない実験を強要し、その結果、少なくない人たちを詐欺被害に遭わせているのである。
森ゆうこ議員に首相追及の資格はおろか、政治家としての資格もないことは明らかだ。
(初出:月刊『Hanada』2020年3月号)
1964年、東京都生まれ。共産党本部に勤務後、板橋区議を4期16年務めたが、共産党に除籍される。ツイッターhttps://twitter.com/itallmatuzaki