驚愕の判決! 兵役不正疑惑と『帝国の慰安婦』
朴大統領弾劾に前後して、二つの荒唐無稽な判決が出た。2016年2月17日、映像医学専門家・梁承午医学博士が朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長の息子の兵役不正疑惑を提起したところ、逆に梁承午博士に名誉棄損で罰金1千万ウォンが宣告されてしまう。
梁承午博士は専門家の立場から朴市長の息子のMRI写真等は本人のものではなく代理人のものだと主張した。公判中、梁承午博士側は朴市長の息子を証人として召喚し、MRI写真をもう一度撮ることを要求した。裁判所の数回にわたる証人喚問にもかかわらず、朴市長の息子はとうとう裁判に出席しなかったにも拘わらず、なぜか梁博士に有罪が宣告されたのだ。
2017年10月27日、朴裕河世宗大学日語日本文学科教授が著書『帝国の慰安婦』で「日本政府と日本軍による慰安婦強制連行はなかった」という研究結果を発表した理由で一審無罪判決が覆り、二審で罰金1千万ウォンの判決が下された。二審では朴教授の研究結果について、これは事実でなく虚偽だとしながらも、その虚偽性の立証正否に関しては何の言及もしなかった。
また、単に慰安婦の強制連行を否定する研究結果を発表したという理由ひとつで、朴教授の故意性まで断定したのだ。
言論出版の自由はもちろん、専門家の専門性を重視する保守陣営では驚愕すべき判決だった。
前述したように、狂牛病ニセ騒動以後、既に韓国の保守陣営は真実を武器に闘う勇気も意志も喪失しており、ごく少数の知識人たちだけがこれに憤慨し真実闘争を続けるのみで、保守野党はこれらを端から無視し、闘うことをしなかった。
慰安婦問題はその後、朴槿恵政権が安倍政権と締結した「慰安婦合意」を文在寅政権が破棄したことで日本との外交的軋轢をうむ。真実を法院が守らないことが、国益にまで大きく害を及ぼすようになったのである。