武漢ウイルスで安倍政権は終焉?
中国政府並びに武漢市政府は、なぜ日米のウイルスに強い団体を3つも12月に武漢に迎え入れ、国家機密を扱う施設まで見せたのか。彼らの中国訪問の日程は、11月下旬には確定していた。もしその段階で新型ウイルスの感染が始まっており、その対策の一環として日米の技術の導入を検討していたのだとすれば、中国政府は遅くとも11月20日までに新型ウイルスの感染拡大を検知していたことになる。
日本政府が把握していない何かが、中国本土で起きているのではないか。新型ウイルスが、習近平肝煎りの巨大プロジェクトの中心地・武漢から中国全土に広がったのは単なる偶然なのか。ウイルスが人為的に加工され、悪意をもってばら撒かれた可能性はないのか。日本政府が軽微と信じるウイルスに対して、なぜ米国は最高レベルの防御策を取っているのか。日本国内で健常者が次々と死亡するような最悪のパンデミックは起こらない、と言い切れるのか。
これらの疑問や懸念は、あくまで憶測がベースとなっているから検証のしようがない。しかし、だからこそ完全否定をされることもなく、疑惑は当面残存するだろう。
経済を冷やしてでも往来制限に踏み切ったアメリカと比べると、日本政府のチグハグで生温い対応に、国民の不審や不満は募る一方だ。堪忍袋の緒が切れた保守層からは、「安倍と習がグルに思える」という強い拒絶反応まで出始めている。
首相自ら会見を開くなど強いリーダーシップを示して国民の不信感を払拭しない限り、ウイルス制圧は覚束ない。もし今後の対応を誤れば、コア支持層まで反安倍に舵を切る可能性すらある。
首相の求心力が弱まれば永田町は一気に政権末期の荒れ模様となる。新型ウイルスによって重症化のリスクに晒されているのは高齢者だけではない。安倍長期政権も、体力が弱ってくれば、決して安全地帯にいるとは言えないのだ。
(初出:月刊『Hanada』2020年4月号)