国民本位で農業政策を転換か、農家の票欲しさに現状維持か
2025年6月1日の『サンデーモーニング』のトップニュースは、先週と同じ「令和の米騒動」でした。

「減反廃止」は長年のタブー 小泉大臣vsJAの“再戦”の行方は不透明 “減反”主張もどうなるコメ価格と農家の未来【サンデーモーニング】 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1949859今回、令和のコメ騒動で見えてきたのはコメの不足だけでなく、いまだ続く減反政策など、農政が抱える問題点でした。小泉大臣の答弁は…。国会で問われたのは、⻑い目で見たコメ政策。古い備蓄米が格安で出回る一方…
アナウンサー:今回、令和のコメ騒動で見えてきたのはコメの不足だけでなく、いまだ続く減反政策など、農政が抱える問題点でした。小泉大臣の答弁は…。
国会で問われたのは、⻑い目で見たコメ政策。古い備蓄米が格安で出回る一方で、コメ全体の価格は落ち着くのか。今後のコメ価格については、明言を避ける小泉農水大臣。では、どうやってコメの価格を下げるのか。打ち出したのは、コメの増産。⻑年、農政のタブーともされてきた実質的な減反の廃止です。しかしこれに対し、生産調整による価格の維持を重視してきたJAからは、さっそくこんな声が聞かれました。
JA福井県五連・宮田幸一会⻑(VTR):生産調整(減反)は需給バランスをとるという意味合いでは間違っていなかった。一気に(コメの)生産量を増やすことには懸念が残る。
アナウンサー:かつて自⺠党の農林部会長を務めたときには、JAの組織改革を訴えていた小泉氏。
自民党・小泉進次郎農林部会長(2016年VTR):農家って農協(JA)職員を食わせるために農業やってんですか?それは違うじゃないですか。
アナウンサー:このときは結局、JA側の強い反発を受け、目立った成果を挙げられませんでした。今回は、どうJAと対峙するのでしょうか。5月29日には、JAのトップとも会談。カメラの前に並んで立ちました。かつては鋭く対立したJAとも、まずは無難な対応。
ただ、コメの増産に伴う、避けて通れない課題も突きつけられています。価格が下がりすぎたときに、農家をどう守るか。野党からは、コメの価格が下がりすぎた場合には、直接、交付金で補償すればよいという提案ですが、コメ農家への補償制度については言及を避ける小泉大臣。消費者と農家の双方が納得する、コメ行政への道筋は描けるのでしょうか。
小泉農水大臣は、かつて農政改革派としてJAと対峙してきました。
ここで、日本の農政の最大の問題は、先週も指摘したように、政府とコメ農家の間に介在して高価格のコメで既得利権を得る農水省とJAの存在です。