新機軸のコメンテーター登場!
2025年5月11日の『サンデーモーニング』には、「ジャーナリスト、元NHK解説委員、専門は教育・働き方改革・ジェンダー問題」という肩書をもつ山本恵子氏が登場、番組にありがちな攻撃的ネガティヴ・コメントを売りにするコメンテーターとは一線を画すポジティヴなキャラクターの持ち主でした。
山本恵子氏:私は今名古屋に住んでいまして、愛知県というのはトヨタ自動車の本社ですとか工場があって、自動車産業の集積地なんですよね。
で、今回のトランプ政権による、まぁ追加関税で、自動車に25%となったり、そういったことに対して、本当に厳しい状況になるのではないかという受け止めなんですけど、地元の銀行が行った調査によりますと、トヨタの取引先の部品メーカーなどに行った調査、報道によりますと、やっぱり今回の関税について、どれくらい影響があるかと、マイナスの影響があるだろうという方がまぁ16.5%、そして現時点で影響がわからないという方が63.8%あったんですね。
なので、やっぱり静観して、本当に日々状況が変わるので、まぁ3回目の交渉に注目するというところが一点と、あと、やっぱり自動車産業というのは裾野が広いので、やっと今回、中小企業にまで賃上げの流れが来た中で、やっぱりこのことで地元の経済への影響というのも物凄く大きいかなというふうに感じています。

決算:トヨタ純利益35%減 26年3月期、トランプ関税が重荷 - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD01AG70R00C25A5000000/トヨタ自動車は8日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比35%減の3兆1000億円になりそうだと発表した。自動車生産は堅調なものの、円高やトランプ米政権の輸入車に対する関税政策が重荷となる。米国関税、4~5月で1800億円の減益要因売上高は前期比1%増の48兆5000億円、営業利益は21%減の3兆8000億円を見込む。営業利益の見通しは事前の市場予想平均であるQUICKコンセ
当該コメントの内容は、非常に常識的で、偏りなく、けっして敵を作らず、誰も傷つけず、けっして突出しない当たり障りのないことを、優柔不断になんとなく述べることで、けっして何も主張していないのに、あたかも何かを主張したかのように思わせるというものであり、まさに人畜無害のNHK解説員らしいコメントかと思います(笑)。
あえて言わせていただければ、私はこういった毒にも薬にもならない中立コメントこそ、テレビ報道に相応しいと考えます。
すなわち、テレビ報道に求められるのは、特定の政治性を帯びた偏向コメントではなく、山本氏のコメントのような特定の政治性を排除して専門的な見地から事実を補足するコメントであると考えます。
思えば、大越健介キャスターをはじめとするNHK『ニュースウォッチ9』系のメインキャスターのコメントは総じてこの路線です。偏向コメンテーターを排除して、大越キャスターをメインキャスターに据えた『報道ステーション』は、事実の概要を押さえるのに適した良質な報道番組に生まれ変わったと思います。
一方、TBS『サンデーモーニング』『報道特集』『news23』、テレビ朝日『モーニングショー』などは、現在も性懲りもなく偏向報道を行なっています。
しかしながら、SNSの発達により、その偏向が国民に見透かされている感があります。『サンデーモーニング』にとって、山本氏の起用は、視聴者の評判を変えるいいチャンスだと思います。
ちなみに、日々のニュースに対する意見・主張については、独自の取材・検証能力が極めて脆弱なテレビが行うのではなく、高度なジャーナリズムを実現するために訓練された多くの専門スタッフを擁する新聞・雑誌が行うのが妥当です。