「北と協力すれば日本に勝てる」と韓国マスコミが書く根拠にしても、「日本は人口が多くて内需市場が広いだけだから、北と一緒になれば内需も追いつく」という経済のイロハすら分かっていないトンデモ話です。
そもそも北朝鮮に購買力はありません。なぜなら所得がないからです。では、所得を増やすためにはどうすべきか。投資をする必要があります。投資をするためには何が必要か。言うまでもなく資本と質の高い労働力です。ところが、北朝鮮に資本はなく、労働力の質もよくない。韓国にも、北に提供できるだけの余分な資本や労働力はありません。
つまり、北朝鮮と一緒になっても人口が増加するだけで、経済規模は微増止まりのため、一人あたりの国民所得は確実に減ります。こうした経済の基礎的な理論をマスコミも国民の大半も理解していないため、大統領が平気で嘘をつけるのです。
韓国経済は日本なしでは成り立たない
韓国経済は日本なしでは成り立ちません。しかし、多くの韓国国民はそうした事実を知らず、次のような考えを持っています。 「日本は韓国よりもちょっとだけ国土が広く、人口もちょっとだけ多い。経済規模もちょっとだけ大きく、一人あたりの所得もちょっとだけ多い。だから我々はちょっとだけ努力をすれば、日本になんかすぐに勝てる」
託児所、幼稚園、学校、企業や社会団体によるセミナーなどで行われる反日種族主義に基づいた教育によって、こうした考えを子供だけでなく大人になってからも植え付けられてしまうため、輸出管理強化の問題でも事態の深刻さが認識できていないのです。
今後、経済がさらに荒廃すればその分、ますます日本を非難するでしょう。国民がそう考えれば、政治家は支持率を高めるため反日をさらに煽ります。本来、政治家とは国民が間違った認識を持っていたらそれを修正し、正しい方向にリードしていくべき役割を担っているにもかかわらず、特に文政権は国民の間違った方向に乗っかり、それを煽り立てるというポピュリズムに突っ走っている。政治家なら国民所得を1%でも上げる努力をすべきなのに、自分の支持率を1%でも上げることしか考えていないのです。
韓国では来年4月に総選挙が行われますから、文大統領はそれまで反日を継続するでしょう。選挙前に腰砕けしたら政権が崩壊する恐れがあるからです。日本が国際司法裁判所に提訴しても拒否するなど、のらりくらり最大限時間稼ぎをする。その間、日本が次の手を打てば、「ほら見ろ、日本がまた酷いことをした。我々は断固戦う!」などと国民の反日をさらに煽り、支持率を高めていく。
日本政府は安易な妥協を絶対にしてはならない
問題は総選挙後です。反日に突き進むうちに、経済が深刻な打撃を受け国民生活にも顕著な影響が出始めるのではないか。そうなって初めて、つまり反日では覆い隠せない事態に陥って初めて、日本との関係を正常化する方向に動くことでしょう。
したがって、日本政府は今後も韓国に対して自らの立場をより強く、毅然と主張すべきです。安易な妥協は絶対に行うべきではありません。それをすれば、一時的に関係は「改善」されるかもしれませんが、また再び同じようなことが必ず繰り返されます。ここで日本政府が妥協しないことこそ、韓日の諸問題解決には不可欠です。
これまで韓国による度重なる日本非難や理不尽な要求に対して、日本は後退し、沈黙し続けてきました。日本があまりにも受動的で消極的な態度を続けてきたので、問題がここまで大きくなってしまった。それを安倍政権になって初めて積極的な姿勢に転換した。これは非常に重要なことです。
歴史問題でも歴史を誇張、歪曲する韓国の知識人らの無責任な言動だけではなく、周知のとおり日本の「良心的知識人」の歪曲された歴史観にも問題を大きくした原因がありました。いわゆる徴用工問題でも慰安婦問題でも、彼らが史実ではないことを喧伝し、韓日両国民に大きな誤解を与えてしまった。そうした動きに対しても、安倍政権は毅然とした対応を貫いています。いわゆる徴用工問題で、文政権に韓日請求権協定の履行を強く求めていますが、当然のことです。
私は長期的な韓日関係を考えると、むしろ早い段階で日本側が積極的な姿勢に転じたことはよかったと思っています。これまでのように文大統領の理不尽な要求に屈していたら、健全な韓日関係はいつまで経っても築けません。その点で、私は今後の韓日関係について楽観的なのです。