韓国でベストセラーとなっている『反日種族主義』
「反日民族主義に反対する会」を立ち上げる
私は大学院生の頃から、韓国の学者や専門家が書いた韓日関係の歴史書を読み漁ってきましたが、どれを読んでも違和感を覚えるものばかりでした。私の専門は経済学で、統計や数字などを客観的に分析し研究する学問です。色眼鏡や主観で物事を判断しません。そうした観点で読むと、韓日関係の歴史書は書かれている内容の整合性がぜんぜん取れていないのです。
たとえば、1910年から45年の間に韓国の人口は約2倍に増加しています。ところが、書籍には「日本軍によって収奪、略奪が相次いだ」と書かれている。それなら、なぜ人口が2倍にもなるのか。統計上の数字と照らして明らかにおかしい。
そんな中、ソウル大学名誉教授の安秉直氏の言動が、韓国で「日本の統治時代を肯定している」などと批判を浴びる騒動が起きました。
それに興味を持ち、安秉直氏の書籍を読んだり、自分でもいろいろと資料を集めて調べていけばいくほど、大学院生の頃から読んできた韓国学者の書いた本は明らかに史実に反することばかり、だらけだということがわかったのです。そこから「反日民族主義に反対する会」を立ち上げ、いまも日々研究を続けています。
これまでは歴史を誇張、歪曲する韓国の学者や知識人、政治家らの無責任な言動で多くの人々が誤解させられてきましたが、いま正しい史実を求める動きが韓国でも広がりつつある。私はそれを肌で感じています。
挺対協や学者、政治家に公開討論会を呼びかける
まだ一般の国民が表立って声を大にして反日に異を唱えたり、真実の歴史を語ることはなかなかできない状況ですが、何かきっかけがあれば、こうした声が韓国社会で一気に広まる可能性があります。文大統領の失政が反日では隠しきれない段階にまで達した時、噴出するかもしれません。
先日、3万部売れた印税で、私たちを批判する学者や政治家、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などに公開討論会の開催を呼びかける新聞広告を出しました。「慰安婦と労務動員労働者の銅像設置に反対する会」の皆さんとは、韓国の日本大使館前で毎週水曜日に開かれている「慰安婦デモ」に反対するデモも計画しています。
このままでは韓国は発展できないばかりか、国が滅んでしまう。そうした危機感が私にはあります。今後は理性的な日本の方々とも連帯して、反日政策のおかしさや、真実の歴史を回復するために行動していきたい。そのことが、韓日関係を回復して両国の友好と善隣関係をより発展させるのに寄与すると固く信じています。(了) (初出『月刊Hanada』19年10月号)