異常な不買運動や日本旅行の中止など過激な反日に走る背景
日本が行った輸出管理強化は、韓国に致命的な影響を与えるでしょう。韓国は日本から素材や部品など多種多様なものを輸入して、それらを組み込むことによって製品化し、全世界に売ってきましたが、それに支障が出てくるからです。他方、日本は素材や部品などを韓国に輸出しなくても販路は他国にもありますから、影響は軽微で済む。
文在寅大統領は「南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、一気に日本の優位に追い付くことができる」などと言っていますが、これは文政権がこれまで行ってきた「所得主導成長政策」と同じく全くの夢物語です。「所得主導成長政策」とは、国民の所得を増やせば消費が増え、企業業績が拡大して投資も雇用も増えるとの考えで、実際に文政権は最低賃金を引き上げてきました。ところが、結果は大失敗に終わっています。
かつて韓国では5%、高い時は10%の経済成長をしており、「経済成長と空気はあって当たり前」という感覚でしたが、文政権になってから経済は低迷を続けています。今年の第1四半期を見ても一人あたりの国民所得は減少、第2四半期は若干増えましたが、これは政府が財政出動をして何とか下支えしたからであって、政府が何もしなければさらなる落ち込みは必至でした。
そうしたなかで日本による輸出管理強化が行われたため、韓国人は恐怖感を抱いています。と同時に、「これほど経済が悪化したのは日本のせいだ」と責任を日本に転嫁し、日本への憤怒を募らせている。日本を無条件に敵対視する感情的な反日種族主義に毒された韓国国民が、異常な不買運動や日本旅行の中止など過激な反日に走る背景には、韓国経済の荒廃がある。文大統領も反日行動を焚き付け、利用しているのです。
文在寅の自作劇に嵌められてしまった日本
北朝鮮の核問題などでも進展が見られず、何ら成果を上げられないなかで、何もかも日本のせいにすれば自らの失政を隠すことができるばかりか、支持率も上がる。文大統領にとって、政権を維持させるために反日ほど安上がりで手軽かつ有効な手段はありません。
慰安婦合意の破棄、レーダー照射事件、天皇に対する極めて無礼な発言──昨年から続く一連の韓国側の動きは、文大統領と与党が繰り広げた反日を政治利用するための「自作劇」と見ることができます。
それは何も、文大統領が計算して行ったわけではなく──文大統領はそんな戦略家ではありません──単に、韓国では反日が誰でも手っ取り早く政治利用できる方法だということなのです。意図的に日本との問題を作り出して日本を批判することが政治家の利得になっている。それに日本は嵌められてしまったと言えます。