2024年12月、米下院コロナウイルス・パンデミック特別小委員会が新型コロナウイルスは研究所起源の可能性が高いと結論づける報告書を発表した[5]。これを政治的なものだと批判する人もいたが、共和党、民主党の両方が証人を呼び、2年にわたって数十回の公聴会と聞き取り調査を繰り返して到達した結論である。
米下院の報告書発表以降、実名による内部告発が相次いだ。2024年12月15日、米国防総省の元高官ジョン・マイヤーズは、2019年10月から12月にかけて、米軍統合参謀本部が、新型ウイルスが中国の研究所から漏れたと繰り返し報告を受けていたことを暴露した[6]。
続いて12月26日、ウォール・ストリート・ジャーナルが、FBIのジェイソン・バナン、米国防情報局国立医療情報センターのジョン・ハーダム、ロバート・カットリップ、ジーン-ポール・クリスティエンらが、新型コロナウイルスが人工的に改変された証拠を見つけていたのに、国家情報長官のアブリル・ヘインズが口封じをしたと報じた[7]。
CIA「研究所起源の可能性が最も高い」
2025年1月20日にトランプ政権が誕生すると事態はさらに動いた。1月23日、トランプ第一次政権で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフがCIA(中央情報局)長官に就任した。その2日後、CIAは新型コロナウイルスの起源について、天然起源・研究所起源のどちらとも判断できないというそれまでの見解を撤回し、研究所起源の可能性が最も高いと見解を改めた[8]。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は1月31日の会見で、この件について記者から質問を受けた。それに対して、彼女は「数年前、トランプがCOVIDは中国の研究所起源だと言ったとき、この部屋にいる人たちは彼が陰謀論を吐いていると嘲ったが、今我々はそれが確かな真実だと知っている」と答えた[9]。