【読書亡羊】悪用厳禁の書! あなたの怒りは「本物」か  ジュリアーノ・ダ・エンポリ著、林昌弘訳『ポピュリズムの仕掛け人』(白水社)|梶原麻衣子

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


既得権益批判は日本でも根強くあり、「既存の政治家、政治屋が日本をこうも悪くしたのだ」という指摘は、政治経験がない・しがらみがない人間が言うほどに有権者の心に響く。次の東京都議会選挙や参院選に候補者擁立を予定している、石丸伸二氏の新党「再生の道」などもまさにこうした姿勢を取っている。

石丸新党には「結局、何もできないのではないか」との見方もある。だが、こうした勢力を軽視すべきでない、とエンポリ氏は言う。

「いざ権力を握っても公約を守れない」としてポピュリスト旋風を一過性の現象として見下すのは完全に間違っている。なぜなら、ポピュリストたちの革命の最大の約束は権力者を懲らしめることであり、彼らはこの約束を権力の座に就いた瞬間に果たすからだ。

つまり、現状を破壊できればそれでいいのである。

メディアによる批判は奏功するか

N国や旧つばさの党(現・政治団体Q)などはどうだろうか。メディアが無視しても、ネットで勢力を拡大していく。初めからきちんとまな板の上にあげて、徹底的に世間に晒し、問題については厳しく批判するべきだとの声もある。

だが、これについても見通しは暗い。2016年、トランプが登場した際のことを引きながら、こう指摘する。

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