トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

「交渉のプロ」トランプの政治を“専門家”もメディアも全く理解できていない。トランプの「株価暴落」「カマラ・クラッシュ」予言が的中!狂人を装うトランプの真意とは? そして、カマラ・ハリスの本当の恐ろしさを誰も伝えていない。


トランプの発言は本当に「人種差別的」なのか?

文字通り受け取ってはならないのは、民主党の大統領候補者となったカマラ・ハリス副大統領についても同様だ。民主党は、ハリスを「黒人」の女性候補として打ち出している。しかしながら、それについて困惑の声が米国内で上がっている。

というのも、ハリスは以前は「インド系」と打ち出されていたからだ。例えば、前回の大統領選の年であった2020年8月11日のCNNの記事は「カマラ・ハリスのインド人のルーツとその理由」とのタイトルで、ハリスとの対談が綴られている。

続いて、CNNは同月25日にも「カマラ・ハリスのインド人のルーツから見えてくるアメリカの姿」との記事を出し、当時、初のインド系副大統領候補となったハリスのインド系としての背景や、「インド系アメリカ人」の票について、そしてアメリカ社会の変遷を報じている。要は「インド系」の象徴だったのだ。民主党を支持するCNNが過去にそう報じていたではないか。ハリスについて、「ずっとインド人だったのに、突然、黒人になった」とのトランプの発言は人種差別的だと批判されて日本でも話題になっているが、実はこのような背景もあって無理もない話なのだ。

黒人から強烈な批判を浴びるカマラ・ハリス

Getty logo

民主党が、突如ハリスの「黒人」色を強めるキャンペーンを展開し始めたので、実は当の黒人コミュニティからも違和感の声があがっている。例えば、黒人と白人の両親を持つ20代の女性YouTuberのアマラ・エクプノビ氏(登録者数203万人)は、ハリスが南部ジョージア州アトランタで開いた集会に反応する動画を投稿しているのだが、そのタイトルは「ドン引き:カマラがアトランタでブラックセントをする」というものだ。「ブラックセント(Blaccent)」とは、「Black(黒人)」と「Accent(訛り)」を組み合わせた造語である。要は、黒人訛りのことだ。

ハリスが演説の際に、話し方・発音・話題などで黒人アピールを試みていたのだが、エクプノビはそれについて、「(行く先々に合わせて)キャラクターを演じているようなものだ」「カマラは今までそんな話し方を一度もしたことないでしょう」「黒人のスラングを使えば票が取れると思うことがレイシストよ」「ゲットー(※筆者注:スラム街)文化は尊重されないのに、それを黒人文化と思うことが失礼だわ」などと不満を示した。

関連する投稿


慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

日米韓の慰安婦問題研究者が東京に大集合。日本国の名誉と共に東アジアの安全保障にかかわる極めて重大なテーマ、慰安婦問題の完全解決に至る道筋を多角的に明らかにする!シンポジウムの模様を登壇者の一人である松木國俊氏が完全レポート、一挙大公開。これを読めば慰安婦の真実が全て分かる!


「核爆弾の奴隷たち」北朝鮮驚愕の核兵器開発現場|石井英俊

「核爆弾の奴隷たち」北朝鮮驚愕の核兵器開発現場|石井英俊

「核爆弾の奴隷たち」――アメリカに本部を置く北朝鮮人権委員会が発表した報告書に記された衝撃的な内容。アメリカや韓国では話題になっているが、日本ではなぜか全く知られていない。核開発を進める独裁国家で実施されている「現代の奴隷制度」の実態。


たちまち5刷!『マンガ安倍晋三物語』制作秘話|TEAM ABE(チーム安倍)

たちまち5刷!『マンガ安倍晋三物語』制作秘話|TEAM ABE(チーム安倍)

昭恵夫人が「号泣しました。生涯最高の一冊です」と大絶賛。全国から感動、感涙の声が続々。安倍晋三総理の67年の生涯を描いた『マンガ安倍晋三物語』の制作秘話を未公開イラストと共に初公開!


アメリカは強い日本を望んでいるのか? 弱い日本を望んでいるのか?|山岡鉄秀

アメリカは強い日本を望んでいるのか? 弱い日本を望んでいるのか?|山岡鉄秀

副大統領候補に正式に指名されたJ.D.ヴァンスは共和党大会でのスピーチで「同盟国のタダ乗りは許さない」と宣言した。かつてトランプが日本は日米安保条約にタダ乗りしていると声を荒げたことを彷彿とさせる。明らかにトランプもヴァンスも日米安保条約の本質を理解していない。日米安保条約の目的はジョン・フォスター・ダレスが述べたように、戦後占領下における米軍の駐留と特権を日本独立後も永続化させることにあった――。


トランプ前大統領暗殺未遂と政治家の命を軽視する日本のマスメディア|和田政宗

トランプ前大統領暗殺未遂と政治家の命を軽視する日本のマスメディア|和田政宗

7月13日、トランプ前大統領の暗殺未遂事件が起きた。一昨年の安倍晋三元総理暗殺事件のときもそうだったが、政治家の命を軽視するような発言が日本社会において相次いでいる――。


最新の投稿


【今週のサンモニ】「トランプ」と「ハリスさん」の使い分け|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「トランプ」と「ハリスさん」の使い分け|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】データが浮かび上がらせる「元自衛隊員」の姿とは  ミリタリー・カルチャー研究会『元自衛隊員は自衛隊をどうみているか』(青弓社)

【読書亡羊】データが浮かび上がらせる「元自衛隊員」の姿とは ミリタリー・カルチャー研究会『元自衛隊員は自衛隊をどうみているか』(青弓社)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


総裁選候補に緊急アンケート15問|野田聖子議員

総裁選候補に緊急アンケート15問|野田聖子議員

混戦となっている自民党総裁選。候補者たちに緊急アンケートを実施し、一人ひとりの実像に迫る!


総裁選候補に緊急アンケート15問|青山繁晴議員

総裁選候補に緊急アンケート15問|青山繁晴議員

混戦となっている自民党総裁選。候補者たちに緊急アンケートを実施し、一人ひとりの実像に迫る!


【今週のサンモニ】政治を何だと思っているのか……|藤原かずえ

【今週のサンモニ】政治を何だと思っているのか……|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。